認可保育園なのに給食がなかった!
さいたまの園の張り紙 |
児童福祉法に基づく認可園の基準では、自園で調理する給食を出すことが定められています。給食は認可園には絶対のものなのです。それが出なくなって仕出し弁当になっていた時点で、児童福祉法違反です。赤ちゃんの離乳食はどのようにしていたのでしょうか? 市では保護者からの連絡を受け、10月15日の段階で社長を問いただしたそうですが、それまでそんな重大な事実を見逃していたわけですから、その責任は大きいと思います。
「給食が無くなった時に、変だなぁ、と思った」という保護者の声は何人も聞きました。保護者たちも園のあり方には不安を感じていたようです。
また、職員の数についても不確実です。市では「5月の時点で名簿と職員を突き合わせて確認した」と言っていますが、本当に「認可」園として必要な職員の数が配置されていたかどうかは、きちんと確認されていません。「職員の数が日に日に減ってきて、おかしいなと思っていた」という保護者もいました。最後の日に保育にあたっていた職員は何と3人!でした。公立の園では自治体できちんと職員の数を把握できますし、しっかりした社会福祉法人の園は厳しい監査を受けなければなりませんが、そういうものは最初からなかったことになります。
また、そもそもこの園を「認可」にするにあたって、公認会計士などが経営状態をチェックすることはなかったのだそう。なんとも生ぬるい、緩~いチェックだったわけです。
企業の園がすべてこういったひどい園であるとは言いませんが、「企業」であるからには利益を追求しなければなりません。保育という基本的には自治体からの補助金で運営するような制度で、企業がどのように「利益」を挙げていくのか。私たち親は、そういった根本的な部分まで考えておかなければいけない時代になってしまっているのでしょうか……。