2008年10月30日、神奈川県や埼玉県、東京都などの首都圏を中心に「ハッピースマイル」などの名称で保育園や学童保育、病児・病後児施設を経営していた(株)エムケイグループが倒産しました。その日をもってなんと保育園は閉鎖! 全部で29の施設に通う子どもたちと、働いていた職員が行き先を失うことに。「明日からお子さんを預かれません」と言われたら、働く親は困ってしまいます。保育園が「倒産」したらどうなるのでしょう? その日、実際にエムケイグループの保育園で何が起きていたのでしょう?

「何があったんですか?」とお迎え

川崎の園の最後の日の様子
川崎にある上小田中スマイル保育園の最後の日の様子
その日のお昼頃、ガイドは関係者からこの企業の倒産についての情報を得ました。情報を確認し、事実であることがわかったので、夕方になってから川崎市にある認可園にかけつけました。

川崎市には、エムケイグループがこの4月から開設した認可の小規模保育園(30名定員)が2ヵ所あります。そのひとつ、上小田中スマイル保育園に行ってみると、お母さん、お父さんたちが普段通りお迎えに来ているところでした。すでにお迎えに来て、市の職員から「倒産」についての説明を受けた親たちは、ショックの表情で子どもたちの荷物を車に積んだり、自転車のカゴに乗せたりしている親たちも。倒産のニュースをまだ知らずにお迎えに来た親たちの中には、「何かあったんですか?」と入口に集まっていた私やほかの親たちに声をかけ、きょとんとして園内に入って行った人もいました。

親たちは、入口のロックを開けて中に入ると、園長先生から「役所の方から説明があります」と声をかけられ、隣の部屋に通されました。そこで2人の職員から、親会社が倒産したことについて説明され、「緊急の措置として、ご自宅からいちばん近い○○保育園に来週の月曜日からお子さんを預けてください」と言われていました。外から見る限り、そこで泣きだしてしまう母親もいました。4月から入園して、10月で親会社が倒産したからといって転園させられるなんて、親にはもちろん、子どもにとってもいいわけがありません。

夜になっても次々にお迎えに来る親たちに同じことが繰り返されました。2人の子どもがいる母親は「ここに引っ越してきて、なかなか保育園に入れず、やっときょうだい2人が一緒に同じ園に入れたんです。信じられません」と言っていました。川崎市は待機児童が多いことで有名な自治体です。中には「3年待って、3度目の正直でやっと入れた園なのに」と呆然とする母親も。小規模とはいえ、「認可」だからと安心して預けていたのに、それを裏切られた気持ちでいっぱいだったのでしょう。「こうなることは市は最初からわかっていたんじゃないの?」と怒る父親もいました。

それでも、この川崎市の園の場合は「認可」だったため、市が早急に替わりの園を探したため、さほど混乱は起きませんでした。東京都の「認証」やさいたま市、川崎市の「認定」など、国の「認可」基準に満たない「無認可」扱いの園では、すぐに行き先が決まらないこともありました。

先生たちも2ヵ月間給与が支払われていない状態。親会社からの連絡などもなくいきなり職場を失い、途方に暮れているといった感じでした。