厚生労働省は、2007年9月7日に4月時点での全国の認可保育園の「待機児童」の数を発表しました。それによると、待機児童の数は1万7,926人(4月1日現在)。前年同期からは1,868人減りましたが、依然として多い数字です。

小泉総理時代以来、歴代政府が目指している「待機児童ゼロ」ですが、一向に達成できません。待機児童が減らないのはなぜなのでしょうか?

「定員」は増えても……

認可保育園の定員だけ増えても園はパンパン
「待機児童」あるいは「待機児」という言葉が一般的になったのは、小泉内閣当時の平成13年のことでした。7月6日に開かれた政府の閣議で認可保育園の待機児童を無くそうという決定がなされたのです。それ以来ずっと、「待機児童」の解消は政府の大きな目標とされてきました。

「待機児童」解消の目的とその意味には大きく分けて2つ考えられます。一つは女性の雇用促進と就労支援の意味合い。来るべき高齢社会に備え、女性の労働力はますます重要視されています。女性にもっと労働力を提供してもらうために、「待機児童」を減らそうという考えです。

もう一つは、少子化対策です。子どもを預けても働き続けたいと希望する女性が増え、高齢社会で労働力が減ることから社会全体が女性の労働を求めているにもかかわらず、現実には子どもを預けられないことで就労のチャンスを失う女性たちが多く、「仕事か子どもか」という選択をせざるを得ない状況が続いています。働いていても子どもを育てられる社会にするためには、しっかりと社会全体で預かる場を確保しなければなりません。そのためにも「待機児童」の解消が必要なのです。

そこで、「待機児ゼロ作戦」の発動以来、さまざまな規制緩和で、待機児を減らそうという努力が続けられてきました。たとえば、「定員」の弾力化。認可保育園の定員を25%増しまで認める、というものです。確かに受け入れられる人数は増えましたが、園はパンパン! お庭も窮屈になってしまいました。

待機児が一向に減らないのはなぜなのでしょう。次のページで考えてみたいと思います。