「5年で時効」って本当?
保育料の根拠となっているのは児童福祉法ですが、児童福祉法はあくまでも子どもの福祉を守るための法律。親が保育料を支払っているかどうかによって、子どもが保育を受ける権利が左右されないよう、保育料を支払わない場合の罰則などについては触れられていません。また、「保育料は5年で時効」ということが報道されていますが、これは児童福祉法に基づいているものではありません。徴収については地方自治法が適用されており、保育料も地方税などと同じく「5年」が時効と考えられている、というだけ。「5年で時効になる」という部分だけが一人歩きしています。「それならうちも5年間支払わないぞ!」と考える、不届きな人も出てくるかもしれません。本当にそれでいいのでしょうか?
認可保育園に入りたくても入れない、いわゆる「待機児童」は、2007年4月の時点ですでに2万人近くに上っています。認可保育園に子どもを預けている親は、入れない子どもたちの分まで責任があるということを忘れてはならないと思います。
自治体は保育する責任を果たすべき
また、同時に待機児についての自治体の責任も追求していかなければならないでしょう。児童福祉法第24条では、自治体は児童が「保育に欠ける」ところがある(=昼間、世話をする人がいない)と認められ、保護者から申込みがあったときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない、と定められています。待機児童が4月の時点ですでに2万人近くもいるというのは、自治体が子どもを保育する責任をしっかり守っていない、ということになります。日本で何番目かに多い待機児がいるある自治体の長が、「自ら保育料を滞納している保護者と面談している」という報道がありました。その自治体では、保育を希望する子どもに対してきちんと保育をする「義務」を果たしていないといえます。待機児童がいる自治体も、保育料を支払わない親も、どちらにもやるべきことをやっていない、ということです。まずは互いの責任をきちんと果たしてほしい。そこができて初めて、「日本の子どもをどうするか」という議論に入れるのではないでしょうか。
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