生命保険の特約とは?
生命保険は、幹となる主な契約として主契約、主契約が持っていない保障を補う特約で成り立っています。10年ほど前、一昔前の生命保険は、死亡保障というシンプルな保障に、様々な特約が付いていました。もちろん現在も国内の生命保険会社はこの形をとっているところも有ります。これは一つの生命保険の契約に特約をつけることで、医療やがん、けがの保障を賄うという内容でした。
代表的な特約は、入院時の保障の「入院特約」「手術特約」、がん、脳卒中、心筋梗塞などで死亡したり入院した場合に保険金が支払われる「三大疾病の特約」、事故や災害による怪我の際に支払われる「災害割増特約」や「傷害特約」などがあります。
当時は、保険業界にも多くの規制があり、第三分野と呼ばれる医療保険やがん保険は国内の生命保険会社は販売できなかったのです。そこで全て特約という形をとっていました。昔は医療保険がなかったのです。
また、保険会社は規制の名のもとに、各社横並びの保険しか販売できませんでした。どこの保険会社も微妙に違う名前を付けて販売していたのです。保険会社間の競争はセールスレディの営業力だけ、消費者は商品を選べず、セールスレディを選ぶだけという状況でした(それすらも選んでおらず、言われるがままの方もかなりいたはずです)。完全に保険会社を競争という大波から守るための規制でした。
割安で保障がシンプルな保険の誕生
そんな世の中から一転して、金融ビックバン、バブル崩壊という大波をうけて、それ以降の保険業界は大きく様変わりしました。各種の規制がはずれ、外資系や損保系の子会社もどんどん誕生し保険会社各社は競争を余儀なくされます。それまでは、主契約+特約と言うセットで販売されていた保険も、その合理性から死亡保障は生命保険、医療の保障は医療保険、がんの保障はがん保険という形の保障を絞った保険を販売する保険会社が増えてきました。
現在では、殆どの会社が医療保障のみの医療保険や、がんの保障のみのがん保険を取り扱って販売しています。
保険会社各社がシンプルな保障の保険に力を入れたことで、競争にもまれ、余計な保障が排除され本当に必要なものを備えた安い保険がどんどん出てきたのです。
これから入るならシンプルな保険
単体で販売される保険がよいのか、セットがよいのかは加入する側の価値観もあると思います。しかし、現在は、特約という形をとるよりも、各社が力を入れて低価格化に成功している商品を選択していったほうが、保障の観点、保険料の観点からみても賢いと言えるでしょう。仮に5年前に特約で加入した医療保障があったとしても、現在販売されている医療保険と比較してみる価値があるほど保険会社は日進月歩で進化しています。
現在、特約てんこ盛りの保険に加入している方はもちろん、これから加入を検討している方へ、保障がシンプルで内容が理解しやすい保険を選び、求める保障毎にピックアップしていき、検討していくことをお勧めします。