熾烈な志願者獲得競争
いわゆる「全入の時代」になって、大学はその存続の危機にも陥っている。現在でも「07年度私立大学短期大学等入学志願動向」によると、私立大学の約40%、短期大学の約50%で定員割れを起こしている。2004年に東北文化学園大が、2005年には山口県にある萩国際大学が民事再生法を申請したように、定員割れを起こしている大学は順次淘汰されていくだろう。わが子の時代には、自分が卒業した母校が消えてなくなることも十分にありうる。
各大学が懸命に行っている対策は以下のようなものだ。
- 新学部、学科の開設
- 既存学部、学科の改組改編
- 付属幼稚園、小学校、中学校、高校の拡大
- 全学部日程、センター利用の活用
- 地方試験の拡大
- 校舎の都市部への移転
しかし、2008年3月に慶応義塾大が驚くべき内容の情報を発表した。2009年度の入試から「新しい学費体系」を導入。34万円だった入学金が一律20万円に下げられる。また今後入学金は段階的に撤廃するという驚くべきものだ。他の大学関係者の話によれば、入学金撤廃の動きは他の大学にも波及するということだ。あの名門大ですら、ここまでやるのかと驚かされた。
大学に取って厳しい状況は、選ぶ側の受験生にとっては素晴らしい時代と言えるだろう。本当に自分の能力を生かし、育ててくれる大学を選べる時代が来たのだから。
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