安全志向で競争激化
2010年は全国的に私立大学の受験者数に変化が見られた。金融不況の影響かより安定志向が伺える |
2010年2月19日付の志願者数順位を見てみよう(なお、後期日程の募集を行う大学は増加する。括弧内は昨年度と比較した指数)。
■2010年GMARCH志願者数
- 明治大115,700人 (+9,439)
- 法政大94,536人 (+8,850)
- 中央大81,898 人 (-3,194)
- 立教大2,966人 (+2,025)
- 青山学院大53,695人 (-1,235)
- 学習院大15,140人(ー318)
明治大は早稲田大を抜いて、2010年志願者数全国1位となった。明治大、立教大ともに人気はかなりあがってきていると考えていいだろう。中央大や青山学院大が減少原因は、2009年の倍率増加の反動だろう。また、GMARCH全体での受験者数の増加傾向は、金融不況の影響で受験生が安定化狙いで浪人になることを避けようとしたことが一因だろう。
また中央大は新司法試験の合格率も高く、東大、早稲田大、慶應義塾大を押さえ、2008年度では全国一位になる成果も高く評価されているよう。全国8都市での地方試験会場の拡充も効果的に数字として表れている。
一方、青山学院は地方試験会場もなく、志願者数全体でみると明治大の半分ほどだが、2008年の総合文化政策学部、社会情報学部の開設に続いて、2009年の教育人間科学部と経営学部マーケティング学科開設で2年連続の人気となっている。都会的でオシャレな大学として志望する受験生は地方にもひろがっている。
法政大は2009年の大きな志願者の減少の反動で、2010年は大幅に志願者が増加した。学力が中堅の受験生は前年の倍率でかなり影響されて、翌年の受験校を決めているようだ。
学習院大の減少は、ほとんど変わらない数値と考えていいだろう。人気は継続していると思われる。上智大やICUの志願者増と共通した受験者の動向を表していると思われる。よりこぢんまりとした大学へ行きたいという志望度も高いのだろう。
教師との距離が近く、より充実した学生生活を送ることができる大学を受験生は志望するようになってきているのだ。