辻褄合う一寸法師「大阪」出発説
江戸時代に成立した「御伽草子」によれば、一寸法師は「難波の浦」から漕ぎ出でたとされている。実際に難波津(大阪湾の古名)から淀川に入り、北上して京都に入っていくというのは、古代から利用された海上交通の主要ルート。道頓堀では「難波というのは現在の大阪ミナミ界隈のことで、そこを流れる川といえば道頓堀川。つまり道頓堀川こそ一寸法師の出発地点だ」という説があって、一寸法師の祠が建立された。小さな祠だがおみくじなどもできるようになっていて、100円玉を挿入するとセンサーが反応、「よ~、お参り!」などと大阪弁で音声が流れたり、おみくじにも大阪名所のこぼれ話などが書き込まれていて、なかなか面白い。過去には道頓堀に直径約1.8メートルという巨大なお椀を浮かべて「一寸法師おわんの船レース」(一寸法師発祥の地実行委員会主催)といったイベントが催されたこともある。
なにはともあれ、阪神ファンが飛び込んだり、最近では投げ込まれたカーネルサンダース人形が発見されたりと騒がしい道頓堀川。まさか一寸法師が出発した川だったとは、意外な発見ではないだろうか。ぜひ一度、一寸法師大明神の祠を参詣してほしい。ちなみに浮世小路は、戦前の大阪ミナミの街並みを再現するモニュメントや古地図、古写真、ポスターなども貼られていて、非常に見応えのある路地になっているので、観光スポットとしてもオススメだ。
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