一見の価値あり。見る人を圧倒する大阪の巨大獅子殿
大獅子殿。取材時には母親に連れられた小さい子供が大泣きしていたが、気持ちはわかる |
難波八阪神社は、本殿を一瞥したところではまったく普通の神社なのだが、その隣を見るとあ然とするほど巨大な獅子頭があるので有名。この獅子頭は大獅子殿といって、高さ約12メートル、幅約11メートル、奥行約10メートル。神事では舞台として使用することもあるそうで、実際に近づいてみると眼がライト、鼻の穴がスピーカーとなっている。
気になるのが、なんでこんな獅子頭が置かれているのか? ということ。これは神社創建にヒントがある。神社の由緒書きによると、難波八阪神社の創建は仁徳天皇の時代で、難波界隈に悪病が流行したときに周辺の森に牛頭天王の霊験が現れ、これを祀ったのが始まりだとか。
仁徳天皇といえば西暦5世紀頃、難波に高津宮という都を作ったとされる天皇で、これがもし本当だとすれば、難波八阪神社は1600年以上の歴史を持つ大阪きっての古社ということになる。ここで注目してほしいキーワードは牛頭天王。というのも牛頭天王というのは、もとはインドの悪病を司る神さまで、その姿は頭に牛の角がついていて、世にも恐ろしい怒りの表情をしているとされる。つまり難波八阪神社の大獅子殿とは、獅子という名前こそついているが、じつは牛頭天王を模したものなのだ。