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大阪のオリジナリティを感じる巨大獅子殿

大阪随一の繁華街ミナミの氏神・難波八阪神社。1600年以上の歴史を有する大阪きっての古社を参詣してみた。

執筆者:陸奥 賢

一見の価値あり。見る人を圧倒する大阪の巨大獅子殿

大獅子殿。取材時には母親に連れられた小さい子供が大泣きしていたが、気持ちはわかる
赤い灯や青い灯のネオンサインが煌いて、陸上選手とかカニとかフグの看板が空を乱れ飛ぶ大阪随一の繁華街・ミナミ。人が集まる場所には宗教施設も集まるものだが、もちろん大阪ミナミにも神社仏閣は多い。とくに「商売繁盛で笹もってこい!」の今宮戎神社や、藤島桓夫のヒット曲「月の法善寺横丁」に歌われた法善寺は有名。このなかで、一見の価値ありとオススメしたいのが難波八阪神社。

難波八阪神社は、本殿を一瞥したところではまったく普通の神社なのだが、その隣を見るとあ然とするほど巨大な獅子頭があるので有名。この獅子頭は大獅子殿といって、高さ約12メートル、幅約11メートル、奥行約10メートル。神事では舞台として使用することもあるそうで、実際に近づいてみると眼がライト、鼻の穴がスピーカーとなっている。

気になるのが、なんでこんな獅子頭が置かれているのか? ということ。これは神社創建にヒントがある。神社の由緒書きによると、難波八阪神社の創建は仁徳天皇の時代で、難波界隈に悪病が流行したときに周辺の森に牛頭天王の霊験が現れ、これを祀ったのが始まりだとか。

仁徳天皇といえば西暦5世紀頃、難波に高津宮という都を作ったとされる天皇で、これがもし本当だとすれば、難波八阪神社は1600年以上の歴史を持つ大阪きっての古社ということになる。ここで注目してほしいキーワードは牛頭天王。というのも牛頭天王というのは、もとはインドの悪病を司る神さまで、その姿は頭に牛の角がついていて、世にも恐ろしい怒りの表情をしているとされる。つまり難波八阪神社の大獅子殿とは、獅子という名前こそついているが、じつは牛頭天王を模したものなのだ。

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