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【緊急レポート】 三菱自動車が大変だ

三菱自動車が大変なことになってしまいました。今月はずっと中国株の特集をするつもりでいましたが、急いで資料を集めて原稿を書いています。

執筆者:保畑 公志

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こんにちは、ルークです。


いやいや、三菱自動車が大変なことになってしまいました。今月はずっと中国株の特集をするつもりでいましたが、こんな大きな事件が勃発してしまったので、急いで資料を集めて原稿を書いています。


ダイムラーベンツ私がこのニュースを知ったのは、会社でブルームバーグという情報端末を使っているときでした。日本のニュースを眺めていると妙に『三菱』という文字が目に付く。加えて、なんだか日本株運用部がザワザワバタバタしている。じっくりとニュースを眺めてみると、「ダイムラークライスラーが三菱自動車の支援を打ち切り」。あわてて三菱自動車の証券コード「7211」をたたいてみると案の定、売り気配値付かず。そして、隣の席を見てみると、同じニュース画面を眺めてルークの先輩が青ざめている。「三菱自動車、やっちゃいましたね」と声をかけてみると「俺、自己資金で持ってたんだよ・・・、こんなことなら住宅ローン返しておけばよかったよ」とべそをかいていました。


では、詳しく解説しましょうか。

三菱自動車工業(7211)の筆頭株主で、再建を支援してきたドイツのダイムラークライスラーが22日、これまで検討してきた三菱自動車への追加出資を見送り、金融支援を打ち切ることを決定しました。三菱自動車は国内4位(1位トヨタ自動車、2位日産自動車、3位ホンダ)の自動車会社でダイムラークライスラーの再建計画によって、信頼回復を取り戻し株価もダイムラークライスラーの支援を前提に値を戻しつつありました。しかしながら、トラックのリコール問題など相次ぐ不祥事でついにダイムラークライスラーも諦めたといったところでしょうか。


どうやら、このニュースは政府は当然のことながら三菱自動車側の人間も聞いていなかったようです。そのニュースが出た22日の午前中は三菱自動車の広報はバタバタと事実の確認を行っていたところを見ると、ダイムラークライスラーの強硬な判断だったのでしょう。


このニュースを受けて、さらに寝耳に水状態であった三菱グループがあわてました。当初、三菱自動車の再建はダイムラークライスラーを中心に三菱グループが共同で財務の支援を行うという計画でした。しかし、ここにきてダイムラークライスラー側からの追加資金の支援がストップしてしまうわけですから、当初計画していた再建計画を実行するためには、三菱グループの出資は大幅に増えざるを得ません。


クライスラー「三菱自動車は再生機構か倒産だな」と思った方も多いはず。しかし、三菱自動車に関してはその可能性は100%に近いほどありません。ご存知の方も多いかもしれませんが、三菱グループは主要企業で「金曜会」というグループを作っており、東京三菱銀行、三菱商事、三菱重工業をあわせた4社で構成されています。この金曜会の主要メンバーである三菱自動車を再生機構に送るのはグループのメンツが許しません。天下の財閥、三菱です!この4社に何かあったときは、グループを上げて看板を守るという、古く美しき日本文化が生き残っているのです。


三菱自動車(7211)            241円(-80円) ストップ安
三菱東京フィナンシャル・グループ(8306) 97万円(-5万円)
三菱商事(8058)            1,097円(-50円)
三菱重工業(7011)            326円(-19円)
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