節約して貯金が増えた喜び、ローンにあえぎ貯蓄が思うようにならない苛立ち、資産運用のバランス、それらが数字に表れ、結果として我が家の経済史ができるとしたら ――― そんな表があるのです。それはパーソナルバランスシート。
右上がりの経済が終わり、デフレ、リストラ、失業と不況の真っ只中にある日本。今こそ将来に備え家庭の経済状況をしっかり把握して、今後の方針を家族全員で話し合う時です。
税理士の今井森夫さんが長年提唱している「家庭株式会社」「パーソナルバランスシート」は、まさに今必要としている感覚とテクニックだといっても過言ではないでしょう。
しかし最初から完璧なパーソナルバランスシートを作成するのは難しいかもしれません。そこで、最低限必要な情報が把握できる「簡易型」を考えてみました。このシートは、「金融・保険一覧表」と「財産推移表」2枚からできています。
「金融・保険一覧表」では金融資産の運用状況と保険の保障内容が明らかになります。金融資産の「安全性・収益性・換金性」のバランスはどうか、必要な時期に必要な金額が現金化できるか、など多方面からチェックをし、次の貯蓄をどのようにするかの判断が容易になります。また、保険ではイザという時に必要な保障内容になっているか保障がダブっていないか、保障の漏れはないかなどの判断が自分である程度できるようになります。最初はアバウトな記入でいいのです。金額の欄も、利息込みの金額が望ましいのですが、定期性の預貯金は元金だけ、日々変動する投信や株、外貨預金などは記入当日の価格で換算する、などイヤにならない程度の厳密さでいいでしょう。記帳することが最優先です。