資産運用/資産運用をするときの鉄則

資産形成に便利なツール 早見表

資産運用の力強いサポータ――「早見表」。そこそこ貯蓄してそこそこ使いたい時、その「そこそこ」が自分で簡単に算出できる魔法の係数表です。超長期の資産形成に便利。算数が苦手な人に特にお勧めです。

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

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あなたは何の為に貯蓄していますか? 誰もが、留学費用や結婚資金、子供の教育費、住宅購入費、老後資金などなどそれぞれ目標を設定し、日々コツコツと貯蓄や資産の運用に励んでいます。

でも、金融資産は殖やしたいけれど貯蓄だけの人生は味気ないもの。生活も楽しみたい!とも思います。 

長期の貯蓄や資産運用の計画に「早見表」を利用すれば、収入を上手に「支出と貯蓄」に振り分けることが可能です。また目標額達成に必要な金額・期間・利率などがわかるので、金融商品を選択する際に迷うことも少なくなります。

例えば、退職金を老後資金に充当する時には、取り崩す方法によって「年金現価係数」「資本回収係数」を、手持ちの金融資産を一定期間運用する時には「終価係数」を、といった具合です。また、長期の資産運用の場合には、係数を組み合わせて使うこともあります。


【例?1】

5年後に住宅購入を考えている。資金として700万円準備したい。既に貯蓄が400万円ある。金利1%で運用すると毎年いくら貯蓄すればいいか?

→貯蓄400万円を年1%複利で5年間運用。5年後の金額は
  400万円×1.051=420.4万円←終価係数を使う

→年1%の複利運用で5年後300万円貯める。毎年の貯蓄額は
  300万円×0.19604=58.8万円←減債基金係数表を使う

→*400万円の運用で得る手取り利息を16万円(源泉徴収20%)とすると、貯蓄必要額は300万円?16万円=284万円になる。毎年の貯蓄額は、
  284万円×0.19604=55.7万円。 
で目標額は達成
です。


【例ー2】

退職金が2000万円ある。生活費として毎月10万円(年間120万円)づつ取崩して使う予定。年1%で運用すると何年間で全額取り崩すことになるか。

→元本2000万円を年120万円づつ取り崩す。単純に計算すると
 2000万円÷120万円=16.7年
ここで資本回収係数を使う。年利1%、18年の係数は0.06098、19年の係数は0.05805
 2000万円×0.06098=121.96万円
 2000万円×0.05805=116.1万円 
従って約18年間でほぼ退職金全額を取り崩すことになる。        


このように、目標額や積立期間・積立額が決まっている、手持ち資金の長期運用など長期の資金計画を立てる際にピッタリの係数を使うことで、希望しているライフプラン実現の可能性を大まかですが判断することができます。また条件が変わった場合にもすぐにライフプランや資金計画を見なおすことができます。

それでは便利な早見表をいくつかご紹介します。


終価係数(複利計算早見表)

手持ち金融資産を複利運用する時に使う係数です。定期預金や定額預金などに使えます。

<使い方の例>
100万円を年1%で10年間複利運用したらいくらになる?
  100万円×1.105=110.5万円

→現在保有している金融資産を何%で運用すれば目標額に到達するかが分かります。資産の分散投資を考える時に使えます。

シュミレーションはこちらから。


現価係数(元本早見表)

終価係数と逆の考え方で、目標額から現在必要とする貯蓄額を割り出す係数です。

<使い方の例>
10年間年3%で複利運用して500万円にするためには、現在いくらあればいい?

 500万円×0.7441=372.05万円

→現在必要保有額が出たところで、手持ち資産と比較します。余裕があれば少し消費に回してもいいということになります。不足する場合には別の係数を使って毎年の貯蓄額を割り出せば目標を達成することができます。


資本回収係数(受け取り年金額早見表)

金融資産を長期に取り崩す時に使う係数です。退職金や預貯金を老後資金に充当する時に使えます。

<使い方の例>
1500万円を年3%で複利運用しながら20年間で取り崩して行くと、毎年いくらずつ取り崩すことになる?

 1500万円×0.06722=100.83万円

→教育資金を取崩す時にも使えます。


年金現価係数(年金の元本早見表)

同じように老後の生活資金の計算に使えますが、毎年必要額が決まっている時に使います。手持ち資金の過不足が分かります。

<使い方の例>
年間150万円を20年間受取るために必要な元金はいくら? 運用は年3%複利とする。

 150万円×14.877=2231.55万円

→住宅ローンの借入額の算出にも使えます。計算結果が借入額になります。
上記の条件は、次のように読み替えることができます。
「毎年150万円20年間返済する。固定金利3%の場合の借入可能額はいくらか」。

 返済総額→150万円×20年間=3000万円 
 借入額→150万円×14.877=2231.55万円
 金利負担分→3000万円?2231.55万円=768.42万円

となります。


年金終価係数(積立複利計算早見表)

結婚資金、教育資金、老後資金など積立貯蓄していく時に使います。

<使い方の例>
毎年40万円ずつ10年間積立てる。年1%の複利で運用した場合10年後の貯蓄額はいくらになる?

 40万円×10.462=418.48万円


減債基金係数(必要積立額早見表)

年金終価係数と逆の考え方。目標額を設定して毎年いくら積立てればいいのかを計算するときに使います。

<使い方の例>
結婚資金として5年間で300万円貯めたい。年2%の複利運用の場合、毎年いくら積立てればいいのか?

 300万円×0.19216=57.648万円



「年●%で運用すれば目的額達成」が分かれば、無理な運用をすることもありません。株式の値上り益の確定時期を迷うことも減るでしょう。投資信託の運用結果のチェックも厳しくできるでしょう。

長期の資産運用だからこそ早見表が活躍するのです。ライフプランに沿った人生が送れるように、早見表を活用してキャッシュフロー表や金融資産表を自分で作成し、見なおし、再作成して見ませんか。想像していたより簡単で楽にできると驚くかも知れません。


6つの係数の算出はこちら
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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