今年の株主総会の集中日は6月29日。3月末決算の企業が決算発表を終えたこの時期、新聞の紙面をにぎわせているのが株主総会の話題です。個人投資家の増加にともなって、株主総会も変わり始めています。
そもそも株主総会ってなに?
ちょっと前まで「裏世界」のイメージがあったが、いまでは企業と個人投資家のコミュニケーションの場になりつつある。 |
株主総会は会社の意思決定をする最高機関。利益処分案や取締役の選任といった大事な議案は、株主総会で株主の承認を得て、はじめて成立することになります。
株主にとって大きな関心事ともいえる配当金の金額が決められるのも、この株主総会。最近では例外も出てきましたが、通常は、株主総会で利益処分案が可決されることにより、配当金の金額が正式決定します。
株主総会といえば従来は、形式的なものがほとんどでした。しかし、最近では、個人投資家が急増したことを受け、企業側も一般の株主が参加しやすいようにさまざまな工夫を凝らしています。
「週末総会」が増えている
決算期末で株主名簿に載っていれば、決算が済んだころに総会召集通知が届きます。でも、日付を見てみたら平日のど真ん中!なーんだ、仕事で行けないや・・・という人も多かったはず。そんな状況を打開しようと、仕事をしている人でも参加しやすい週末に株主総会を開催する企業も増えてきています。
ブックオフコーポレーションやオリジン東秀、ナムコなどがその一例。こうした企業では、株主総会後に行なわれる株主懇談会でも、個人投資家を意識したユニークな試みを行なっています。
株主が足を運びやすいよう、株主総会の会場の利便性にこだわる企業も出てきました。
ヤフーは、今月17日に開催される株主総会で、「神奈川県横浜市で開催する」となっている定款の変更を提案する予定だとか。これがもし可決されれば、株主総会の会場の選択肢はぐんと広がります。
インターネットでの投票も!
それでも足を運べないという株主のために、ホンダやソフトバンクなど、パソコンや携帯を使ったインターネットで議決権を行使できる企業も登場しました。現在、インターネットで投票できる企業は約300社といわれています。今年から携帯での投票を開始した企業は昨年の約10社から一気に増加、なんと約260社にも及ぶそうです。
やり方はいたって簡単。専用サイトにアクセスし、招集通知に記載されたIDとパスワードすれば、あっという間に議決権の行使ができてしまうのです。
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