時価総額の小さい銘柄が狙い目
藤本さんの著書。選挙や業界再編、スポーツ、少子化…と多彩なトピックスでニュースの読み方のツボがまとめられている。 |
なるほど、他の投資家の裏をかくような変わった連想をする必要はないのですね。ちょっと安心しました。では、連想を実際の売買につなげるにはどうしたらよいのでしょうか?
A:
例えば、選挙といえば何を連想しますか?
「ポスター」「選挙カー」「街頭演説」「開票速報」…いろいろ思い浮かびますよね。これを銘柄に落としていくわけです。
その際のコツともいえるのが、時価総額の小さな銘柄に注目すること。なぜなら、時価総額の大きい銘柄よりも、小さい銘柄のほうが業績に影響が出やすいからです。「ニッチなニオイ」に敏感になっておくといいですよ(笑)
Q:
例えば、選挙の場合はどんな思考回路になりますか?
A:
一例を挙げるとするなら、街頭演説に使われる携帯拡声器です。
普段はそれほど出番のない商品ですが、選挙では必需品ですよね。ですから、選挙のニュースから「携帯拡声器メーカーの業績はアップするはず」と連想する人は少なくないはずです。
おまけに、もともと市場がニッチなだけに時価総額も小さめ。選挙銘柄の本命といえそうです。
買い時を逃したら裏銘柄に注目!
Q:ご著書「株で儲けるニュースの読み方」ではこうした「先読み」と並んで「裏読み」という言葉が頻繁に登場していましたね。なんだか気になる言葉です。
A:
ニュースから連想しやすい「本命銘柄」は、多くの人が連想するだけにタイミングがなかなか難しいというのも事実です。だから、本命銘柄の株価が上がったあとで思い出したように上がり始める「裏銘柄」に投資するというのも賢い方法だと思います。
Q:
「裏銘柄」ですか。選挙のニュースでいうと、例えばどんな銘柄でしょう?
A:
2005年夏の総選挙を振り返ると、まず最初に音響・放送設備大手の TOA や選挙機材を自社生産しているムサシの株価が上がりました。その後に裏の波として遅れて上がってきたのが、フジスタッフという人材派遣会社です。
どうして人材派遣会社の株価が上がるのが分かりますか?その理由は、世論調査や出口調査に人員が必要になるから。これこそ「裏銘柄」なんです。
こうした連想ゲームは、経験を積めば積むほどカンが磨かれていきます。大切なのは、投資を楽しむこと。損得と楽しみ半々ぐらいの気持ちで連想ゲームのレッスンを続けていってはいかがでしょうか?
――ニュースを個別の銘柄に落とし込んでいくポイントは半歩先の「先読み」と第二波を捉える「裏読み」。ポイントを押さえた連想ゲームでニュースを賢く利益に結びつけたいですね。