分散投資の3要素
ポートフォリオ作成の基本となるのが、分散投資の考え方です。名前の異なる商品を数多く持っているというだけでは、意味のある分散投資になっているかどうかはわかりません。もしかすると「自分で管理しにくくしているだけ」かもしれないのです。※
そこで、複数の商品に分散投資することで、トータルのリスクを減らそうということになるのですが、意味のある分散投資になっているかどうかは、分散投資の3つの要素とも呼べる、「商品種類の分散」「運用期間の分散」「購入時期の分散」それぞれが、きちんと盛りこまれているかどうかでチェックできます。
「商品種類の分散」は、預貯金などの安定運用型商品は一般的に収益性に劣り、インフレによる目減りリスクもあるので、積極運用型商品と組み合わせて運用することにより、運用資産全体の安全性と収益性のバランスをとるために行います。安定運用型商品だけでは収益性が望めない現在のような超低金利時代には、極めて重要な考え方といえます。
安定運用型商品を選ぶときに必要なのが、「運用期間の分散」です。金利は動くものであり、どうしても預け遅れや、早く預けすぎた、預ける期間を間違えたなどということが起こりがちです。金利の変動を完全に見通すことが不可能な以上、金利変動リスクを減らすには、自分の予想とは異なる動きがあったときにも対応可能な仕組みを作っておくことが重要です。満期の時期が集中しないように意識的にズラしたり、いざというときペナルティなしに解約可能な商品を活用するなどの工夫が必要となります。
そして株式や外貨建て商品などの積極運用型商品を購入するときに必要なのが、「購入時期の分散」の考え方です。積極運用型商品がいくら収益性に優れているとはいっても、価格変動リスクや為替リスクは手強いリスクですから、少しでも対応する工夫をしなければなりません。その対応策の第一が、まとめて買わずに分けて買うことなのです。