景気動向指数の計算方法
内閣府のHPに載っている景気動向指数(DI)変化方向表(経済社会総合研究所景気統計部)
先行きを表す指標12個が「先行系列」として決められています。例えば、東証株価指数(TOPIX)、つまり株価も景気の先行きを表す指標として採用されています。
一致系列には11個の指標が、遅行系列には7個の指標が採用されています。
「完全失業率の悪化」は過去のこと!
遅行系列の中に完全失業率の指標が入っています。新聞の「完全失業率悪化」という見出しを見て「これから景気は悪くなるかも?」と思うのは、「昨日の降水確率80%」をみて、明日は雨が降ると予想するのと同じようなものです。完全失業率は先行きの動向を見る指標ではなく、過去どうだったかを見る指標です。
計算方法
計算の方法は、まずそれぞれの指標の数値が3ヶ月前よりも良くなっているか、悪くなっているか、横ばいかなのかを調べます。良くなっていれば +、悪くなっていれば ?、横ばいの場合には 0 と表に書かれています。
そして、「+を1とし、0を0.5と数えたその合計」を「調べられている系列の数」で割った数値を%で直したものです。
現在の景気動向指数は?
内閣府・経済社会総合研究所・景気動向指数
↑この表の、「6月 先行系列 今回」(右端)を見ると・・・
調べられている項目数11個のうち、7個がプラスなので、7/11×100 で、63.6となります。現時点でまだ記載されていない「11.投資環境指数(製造業)」が分かれば、割る数は12になります。
6月の内容を見ると、先行、一致、遅行いずれも50%を上回っており、景気は「今」も「将来(数ヶ月ほど先)」も「過去(半年ほど前)」もよい状況だということがわかります。
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/上野博美