家計簿を続けるテクニックとは?
家計簿を継続するために
1)きちんと正確に記入しなければと思うあまり、家計簿付けが非常に高度で難しいものになってしまい、挫折した。
2)一度うっかり付け忘れたら、もう何を買ったかが分からなくなってしまい、そこでやめてしまった。
では、解決策を考えていきましょう。
長続きの秘訣は「細かいことは気にしない」
家計簿は企業の会計などと違って、誰に見せるものでもありませんので、正確さにこだわる必要はありません。家計簿は「目的」ではなく、家計を改善するための「手段」ですから、結果として家計を管理して改善できさえすればいいのです。たとえば正確な金額が分からなかったら、だいたいの金額で記入しても構いません。1260円だったか1270円だったか思い出せなかったら、1270円または1300円で記入する。多いほうの金額にしておけば問題ないでしょう。クレジットカードやプリペイドカードでの買い物は、実際の支払い日は別になりますが、家計簿への記載は買ったその日に行うのがよいと思います。「Suicaオートチャージ3000円」という記載ではなく、その3000円で電車に乗ったのか何を買ったのか、自分の消費行動を記入しましょう。
自分流にカスタマイズ
どの費目に入れたらいいのか分からなくて難しさを感じることもあるでしょう。これも正しさを目指す必要はなく、自分ルールでいいのです。たとえば友人との外食代は1000円までは「食費」、1000円を超えた分は「交際費」にする。5000円未満の服や下着は 「生活費の中の被服費」、5000円以上のものはお小遣いで買うものと考えて「趣味」などの費目にする。付け始めの1カ月は迷うことが多いと思いますが、慣れてくれば、「程良くテキトー」に付けられるようになります。ルールは途中で変更しても構いませんので、少しずつ自分に合ったルールを見つけてください。費目を細かく分けすぎると、手間が増える上に、どの費目にも当てはまらない物が発生しやすくなります。費目はややざっくりした感じで考えたほうが楽です。 一人暮らしで自炊をしているので食費はそれほどかかっていないと分かっている人は、食費も食費以外の生活費もひとまとめに「生活費」としても構いません。そうすれば、スーパーで買った食材やシャンプー類を分けて計算せずに、レシートの金額をそのまま生活費に記入できるので楽です。ただし、「わが家は食費がかかりすぎている気がする」「洋服ばかり買ってしまう」など、きちんとチェックしてみたい項目があるのならその項目は独立して設けましょう。
見直しのポイント
とりあえず1カ月付けてみたところで、何が家計を圧迫しているのか振り返ります。節約というと食費を削ることに目が向きがちですが、最初に手をつけるべきは住宅・保険・通信費などの「固定費」です。これらは毎月だいたい同じ金額が出ていきますので、わざわざ家計簿を付ける必要がなさそうにみえます。しかし毎月自動的に引き落とされていくからこそ、見直しの機会がないまま数年間放置されていることが多く、もっとも家計の見直し効果が大きい項目です。住宅ローンや保険はファイナンシャルプランナーに見てもらってもいいですし、通信費(携帯、スマホ)は携帯会社で最適プランを探してもらいましょう。固定費の次に見直すのが、ゴルフや車、服、飲み会などのお金。それらは翌月から数万円単位で節約可能な場合もあります。食費や生活雑費はよほど無駄使いをしてきた場合をのぞけば、一度に大きくカットするのは大変です。ネットで紹介されている様々な節約技を参考にしながら、毎日少しずつ節約を心がけていけばよいと思います。
家計簿をつける時間や曜日を決める
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さらに、ノートの保管場所にもひと工夫。お茶タイムに付けるならお茶セットと同じ棚に、夕食後なら食器棚の中やダイニングテーブルのそばに、寝る前なら枕元のサイドボードに置いておくのがよさそうです。毎日は無理だから、レシートを取っておいて1週間分まとめて付けたい人は、「水曜日のこのTV番組を見た後にやる」「日曜日の夜に1週間を振り返る」など、曜日と時間を決めましょう。
好きになれる家計簿ノートやアプリを使おう
家計簿を長く付けている人たちに、長続きのコツなどを聞きましたので参考にしてください。感覚的に好きになれるかどうか
ノートでもアプリでも、「好きなものを使う」ことが一番大事なのではないかと思います。デザイン、大きさ、手触り、操作性などが好みかどうか。好きじゃないものからは自然と遠ざかってしまうものです。長続きしている人たちは、「家事の合間に手早く付けたいので、軽くて薄くて中身もシンプルなノートを選んだ」、「紅茶を飲みながらゆっくり書くので、あえてしっかりした材質で、日記も付けられるものにした。それが子どもの成長記録にもなった」と話していました。大きかったり厚かったりすると取り出すのも面倒になる、キッチンで使うのでビニールカバーのあるものがいい、テーブルのない場所で書くから表紙が厚手のものがいいなど、様々な意見がありました。自分がどんな時間にどこで付けるかを考えると、使いやすいものが選べそうですね。
アプリは、さまざまな機能の無料版をどんどん試してみましょう。スマホとパソコンと連動できるタイプなら、夫婦(または家族全員)で家計簿を共有でき、家計の見直し効果が高そうです。一人暮らしの人はぜひ、銀行口座の残高管理などもできる家計簿アプリも試してみてください。いずれ家庭を持つと、支出する人数・回数・金額が増え、銀行口座の数も増え、家計管理が複雑になります。一人暮らしの今のうちに、家計をトータルで管理する習慣をつけておくとよいと思います。
ノートがいいのか、アプリがいいのか
ノートの良さは一覧性(パッと全体を見渡せる)や、欄外にメモできるなど自由度が高い点です。食材と一緒にメニューを記録したり、生鮮品の底値を確認したり、何が無駄使いだったかなど内容をよく振り返りたい人はノートが向いているでしょう。アプリの良さは計算が自動で行われてグラフ化なども簡単にできる点、電車移動中などの空き時間に使える点などです。細かな内容よりも、「今月はいくらで済んだ」など金額に重きを置いて考えたい人はアプリがいいかもしれません。レシートを撮影するだけで内容を読みとってくれるアプリは、スマホを日常的に使う人には便利だと思います。この記事を最初に書いた2006年時点では、インタビューした人たちのほとんどがノートを使っていました。その中の数人に2015年時点であらためて聞いたところ、スマホアプリに移行した人もいました。
現金支払いが当たり前だった時代は、家計簿の金額と、お財布に残っているお金が1円までぴったり合うのが気持ちいいものでした。しかし、今は電子マネーやクレジットカード、プリペイドカード等を使う機会が多く、そのような楽しみ方はできないのが残念です。楽しみを見つけるとすれば、結果としてお金が貯められるというところでしょうか。まずは1カ月付けてみて家計の状況を確認し、次の1カ月は前月よりも無駄が減らせるように目標を立て、それをクリアし、達成感を味わってください。楽しみを味わえば、きっと長続きするでしょう。