貯金を増やす!砂糖(サ)・塩(シ)・酢(ス)・醤油(セ)・味噌(ソ)とは
「調味料はサシスセソの順番で」というのはお料理の基本です。これにならって「上手にお金を貯めていくためのサシスセソ」をご紹介します。「上手にお金を貯めていくためのサシスセソ」とは
マネー情報が氾濫していて、いつも振り回されちゃったりしませんか? まじめな人ほど、その傾向があるように思います。最初から完璧を目指すあまり「投資をするためには、最適なポートフォリオを考えなくては」と構えてしまったり、うまい話にひっかかるなという思いから「ひたすら節約のみ」と決め込んでしまったり、将来が不安だからと「なにがなんでも投資で儲けないと負け組になる~!」と冷静さを失ってしまったり。
節約や貯蓄、投資を適度に組み合わせる柔軟な方法をとることで、マネープランの改善はもちろん、精神衛生的にも心地よい生活が送れるのではないでしょうか。そのためのヒントが、「上手にお金を貯めていくためのサシスセソ」なのです。
サ=財布の紐をしめる
まずやるべきことは、「サ=財布の紐をしめる」でしょう。支出の無駄を減らすことは、家計改善の基本です。特に効果が大きいのは、「住宅ローンの見直し」。のちのちの貯蓄に数百万円の差が出ることもあります。ただし、「住宅ローンを繰り上げ返済しすぎて、教育費が足らなくなって教育ローンを借りた」とならないようにしてくださいね。教育ローンのほうが住宅ローンより、金利は高めです。
「生命保険の見直し」も効果大。しかし、近頃多い失敗は「保険料を減らそうと思って解約しすぎて、遺族の保障が足りなくなった」というもの。「保険料を減らそう」ではなく、「必要な保障はいくらかな? それに合う保険商品はどれかな?」という考え方で行ってくださいね。
【注意点】
主婦向け雑誌などで人気の節約ワザ。楽しくて私も好きですが、「光熱費が年間365円のお得です」というような節約は、マネープランとしてはあまり効果はありません。それらは「得かどうか」ではなく、「環境」のため、あるいは「物を大切にするという心」で行うものではないでしょうか。得かどうかを考えるなら、次の「シ・ス・セ」のほうが効果的です。
シ=仕事でがんばる
確実にマネープランが改善されるのが、これ、「シ=仕事でがんばる」です。資格をとって昇給、ステップアップの転職など、数年先を見て行動を開始してはどうですか? もう十分頑張っているよ!という方は、もちろん無理をなさらずに。専業主婦が働きに出る、定年後の再就職なども、マネープランが大きく改善されます。毎日働きづめになると思うとイヤになってしまいますが、週に3日だけ3年間だけ、というふうに区切りを設けると、頑張れるのではないかと思います。
【注意点】
仕事のために家族団らんの時間が無くなった、ストレスで体調を崩した、とならないように。仕事を変えたり始めたりすると、生活スタイルも変わります。その変化に対応できるかどうかは、性格や体力、住環境など様々なことが関わっています。がんばるぞ!という気合だけでは乗り切れない面もありますので、無理は禁物です。
スとセ=少しずつ、積極的に運用する
生活スタイルを変えずにマネープランを改善するための方法が、「スとセ=少しずつ、積極的に運用する」です。節約と仕事でお金が足りているという方は、無理にリスクを背負う必要はありません。誰もが運用しないといけない、というわけではないのです。生活に必要なお金や、数年後に使う可能性のあるお金は、元本保証のある預貯金に預け、当面使わないお金の一部を高い利回りが期待できる金融商品で運用します。貯蓄の基盤としてコツコツと定期預金で貯めつつ、同時に投資で効率よく増やしていきましょう。
たとえば、毎月5万円ずつ、積み立て定期預金をしているとします。
■ケース1 すでに定期預金が150万円くらいある……今後は、毎月の5万円で投資信託などを積み立てる。
■ケース2 定期預金が現在80万円くらい……今後は、2万円を積立定期預金、3万円を投資信託などに。
■ケース3 定期預金が50万円くらい……4万円を積立定期預金、1万円を投資信託などに。
【注意点】
「すでに貯めたお金を、減ってしまう可能性もある投資に充てる」というのは、心理的に不安なものです。まずは「今後入ってくるお金」で投資をしたほうが、気持ちの上で楽かもしれませんね。大きな利益を狙う(つまりリスクも高い)投資方法を試すなら、自分のお小遣いで行うのがおすすめ。失敗の痛みを、家族にまで背負わせてはいけません。
国内外の株式・債券、不動産などにバランスよく分散投資することが大切……とはいいますが、最初から完璧にと思わなくて大丈夫。徐々に徐々に理想形に近づけましょう。
ソ=相談する
金融機関、ファイナンシャルプランナーなど、専門家の知識を活用してください。「ソ=相談する」です。ライフプランに適したマネープランを立てて……という堅実な方法を実行するのは、時間や労力がいるものです。専門家のところにいけば、知識はもちろん、あれこれ便利なシミュレーションソフトなどもあり、便利です。
でも、金融機関で相談すると、商品を買わなきゃいけないような気がして……とためらう人も多いのでしょうね。
金融商品取引法が完全施行されており、リスクやコストなどについてしっかり説明する義務や、威圧的な販売や顧客が理解していない商品の販売の禁止など、金融商品を取り扱う者の責任が厳しく定められています。今までよりも、顧客にわかりやすい表示、説明が必要になったのです。
押し付けるような販売はしてはいけない、ということで、金融機関も対応に神経をつかっています。利用者側としては、相談しやすい環境になっているんです。
【注意点】どんなに詳しく商品内容を説明しても、最後に「で、儲かるの?」という質問をする方が時々います。難しい話はいらないから、儲かるかどうかだけ教えて!と。でも、絶対に儲かる商品なんて、ないんです。あったら、みんなそれを買います。
金融機関やファイナンシャルプランナーの説明は、あなた自身が購入するかどうかを判断するための材料にすぎません。商品内容を理解し、いろいろなケースを想定し、あなた自身で決断するのだということを忘れないでください。
サシスセソを組み合わせ、自分にとって負担の少ない方法でマネーを増やしてくださいね。
■参考記事
・「”残高0円”からの卒業」
・ 「貯められないあなたのマル秘貯蓄術」