個人年金/個人年金保険の基礎を学ぼう

個人年金保険の天敵は物価上昇!(3ページ目)

老後のための財産づくりのひとつの手段としてよく活用されている「個人年金保険」。個人年金保険に潜む大きな落とし穴をご存知ですか?

平田 浩章

執筆者:平田 浩章

ファミリーのためのお金入門ガイド

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個人年金保険の弱点

個人年金保険の弱点はなんといってもインフレ(物価上昇)です。インフレによって今のお金の価値と年金を受け取る将来のお金の価値が変わるというリスクがあります。

前記のケースのように、今30歳でこれから個人年金の積み立てをして60歳から5年間で合計825万円を受け取るとした場合に、受け取りが始まる30年後のお金の価値と物価が、どうなっているかが気になるところです。

インフレになるとお金の価値は目減りする!?

物価が上昇するとお金の価値が下がる……

物価が上昇するとお金の価値が下がる……

物価がどうなるかは実際にその時になってみないと誰にもわかりませんが、1970年から2000年までの30年間の国内の物価は、平均すると3.2倍程度になっています。

当時の日本経済は高度経済成長期でもあったので、状況が大きく異なる2013年以降も同じようになるとは限りませんが、世界の人口の増加が続く中で、食糧品を中心に世界的な物価上昇が続いていることを考えると、食料品などを大きく輸入に頼る日本の家計の将来は、消費税の増税なども含めて今より物価が上がることを想定しておいた方が無難でしょう。

もし今後の20~30年の間に物価が仮に2倍になったとしたらどうなるでしょう? 今10万円で買える物が、将来は2倍の20万円なる計算です。

将来受け取る個人年金とモノ(物価)の関係を考えると、これからデフレ(モノの価値が下がって、お金の価値が上がる)になれば、モノの価値に対して、将来受けとるお金の価値は高まりますが、インフレ(モノの価値が上がって、お金の価値が下がる)になったら、将来受けとるお金の価値は下がってしまいます。

個人年金における財産防衛という観点で考えると、現在の超低金利の状況からさらにデフレになってもある程度対応できますが、現在、政府が推進するようなインフレに振れた場合は、将来受け取る年金が実質的にその価値が目減りしてしまい、そのリスクを許容できなくなってくる可能性もあります。

物価が上がったら皆さんの大切な財産もそれ以上に増えていくような仕組みづくりをしておくと安心です。物価の上昇に対応する財産づくりには、株式や投資信 託などの金融商品が対応しやすいと言われています。セカンドライフまでの長期戦略を立てて、世界分散投資をしてリスクを低減しながら収益の確保を目指すこ とも一考の余地ありです。

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