葬式
自分自身はもちろん、親や親戚などのお葬式は必ず経験するもの。とはいっても、肝心のお金事情はあまり知られていない。イザという時のために、いくら必要なの?
ライフイベントの中で、必ず経験するのが「お葬式」。自分自身の葬儀への備えはもちろん、親や配偶者、親戚などの見送る側でのお葬式も遭遇するはず。このように避けられないイベント「お葬式」のマネー事情は、どのようになっているのでしょうか?

そこで、葬儀相談員でご活躍されていらっしゃる 「お葬式のリスクマネジメント&サポート リリーフ」 代表の市川 愛さんに、お葬式のお金事情についてお話を伺いました。

市川 愛さんは、葬儀相談員として多数の相談・質問に対応し、各地での講演やコラムの執筆、葬儀関連業者へのコンサルティングなどでご活躍されています。また、葬儀に参列する人向けの参列の方法やマナーを紹介する 「早分かり 葬儀参列」 も運営されており、お葬式全般に精通していらっしゃいます。


葬儀費用 全国平均236万円!

「お葬式のリスクマネジメント&サポート リリーフ代表 市川 愛氏
お葬式のリスクマネジメント&サポート リリーフ代表 市川 愛氏。お葬式のマネー事情についてお話を伺いました
ガイド:
色々な種類のお葬式があると思いますが、ごく標準的なお葬式には、一般的にいくらかかるのでしょうか?

市川さん:
日本消費者協会が平成15年に調査した全国平均額は、236万6千円でした。

物価の違いや習慣の違いなどもあり、地方によっても大きな差があります。
都市部はこの平均額より高額になっているのに比べ、逆に地方では平均よりも低額のことが多いですね。地域での平均額の差が200万円以上も開いているんですよ。

例えば、愛知・岐阜・静岡・長野・山梨の中部地区では平均 378.9万円となっており、全国で一番高いエリアとなっています。反対に一番安い地域は、栃木・茨城・群馬・千葉の関東地域で平均 165.1万円です。同じ関東でも、東京・神奈川・埼玉エリアでは平均 313万円と全国で2番目に高いエリアになっています。場所によって色々と変わりますね。

これを踏まえたうえで、一般的な例としては、100名の仏式葬儀で、内、親族が10名、参列者が通夜振る舞い(通夜の後の飲食)を受けて帰る地域と仮定して、平均的な葬儀費用は、だいたい200万円を超えるくらいでしょうか。これに加えて、お布施と香典返しの費用が必要です。


「葬儀一式費用」以外にも必要なものが

ガイド:
200万円は軽く超えるということですね? 正直、こんなにお金が必要だとは思っていませんでした。では、葬儀にかかるお金の内容について、もう少し詳しく教えてください。

市川さん:
内訳は、まず、祭壇・棺・人件費などの「葬儀そのもの」にかかる費用(葬儀一式と称されることが多い)で約120万円前後。葬儀社の価格設定や、祭壇飾りの内容などで大きく上下します。

次に、会葬御礼品、通夜振る舞いや精進落しの飲食、斎場利用料、火葬料、霊柩車などの車両関係などの「葬儀社が手配を代行して行なうもの」にかかる費用(実費や変動費と称されることが多い)で約80万円前後。参列者の人数や使用する斎場の利用料などが、費用に大きく関っています。


「通夜振る舞い」がある地域は費用が高め

ガイド:
葬儀にかかる費用(葬儀一式)に120万円、葬儀社が手配する費用(実費)が80万円で、あわせて200万円ということですね。ところで、私は「通夜振る舞い」というのを聞いたことがないのですが……

市川さん:
通夜振る舞いは、ある地域とない地域で細かく分かれています。同じ県でも地域によっては受ける地域とそうではない地域があったりします。お葬式の常識なんて車で1~2時間走れば180度変わることも多いんですよ。

通夜振る舞いがあるとないとでは、金額も違ってきます。東京をはじめとした通夜振る舞いを受ける地域は、少しでも箸をつけて帰るのが、故人への供養になるという考えですので、お腹いっぱいに食べて帰るということではありません。

そのため、人数分ではなく予想参列者数の約5~7割分の用意で充分なのですが、 寿司、煮物、オードブルやビール、清酒、ウーロン茶など、100人規模で約25万円程度かかります。

ガイド:
「精進落し」は、お葬式の日にするものでしたか?

市川さん:
そうです。 親族やごく親しい方々などの身内だけで葬儀終了後にいただきます。

次のページでは、お布施や家族葬などについて伺いました。