アルバイトやパートタイマーの募集は件数も多く、常に変動しています。このバイト募集の数や条件から、その時点の業界の実情が見えてくることもあります。
中でも「時給」は一番気になるところ。その業界の人材不足度が数字で出ていますし、何より収入に直結します。前年の時給と比べて今後の動向を予想したり、地域別に比較してそのエリアの傾向を見ることもできます。
今回は、リクルートジョブズ社が調査した「2019年3月度アルバイト・パート募集時平均時給調査」のデータをもとに、アルバイトやパートの時給について検証してみましょう。
3大都市圏平均時給 1044円 前年比2.5%アップ
三大都市圏(首都圏・東海・関西) 職種大分類別 アルバイト、パート募集時平均時給推移 首都圏・東海・関西地方の職種別平均時給を昨年のものと比べたもの。(出典:リクルートジョブズ社「2019年3月度アルバイト・パート募集時平均時給調査」)※クリックで拡大※
上の表は、2019年3月と2018年3月の首都圏、東海、関西地方の3大都市圏のアルバイト、パート募集時の職種別平均時給を比べたものです。2019年3月時点での全体の平均時給は1044円で、前年同月比2.5%のアップとなっています。
職種別に時給を見てみると、トップは営業系で1268円となっています。営業系とは営業やテレフォンアポインター。営業系の中で高額だったのがテレフォンアポインターで1301円でした。
時給が低いのがフード系の1006円。ファストフードやホールスタッフなど気軽に始められる仕事が多いのがフード系の特徴です。ただ、近年は人手不足となり、平均時給も1000円を超えてきました。
全ての職種が前年比増
前年の2018年との差を職種別に見てみましょう。全ての職種で前年同月比は増えています。その中でも、営業系は1268円、前年比56円、4.6%増と大きく増えています。金額もトップでしたが、増加率もトップとなっています。
次に増加率が高いのが事務系で1085円。前年比40円、3.8%増となっています。事務系の中ではコールセンタースタッフが1278円と群を抜いて高くなっています。テレフォンアポインターと共に、電話を使った営業や事務の時給が高くなっており、電話での顧客対応が増えてきているのでしょう。3大首都圏のバイト事情を見てきました。では、地方の実情はどうなっているのでしょうか?
時給最安地域は九州・沖縄。首都圏との差187円
全国 エリア別 職種大分類別 平均時給 全国の各エリアの職種別のアルバイト、パート募集時平均賃金。場所によって職種によってかなりの差がある。九州は沖縄も含めた数字。(出典:リクルートジョブズ社「2019年3月度アルバイト・パート募集時平均時給調査」)※クリックで拡大※
また、東海が982円、関西が1012円と、3大首都圏は他のエリアより高いのがわかります。
雇用調整を受けない専門職が安心
企業の業績が悪化すると、パートやアルバイトは雇用調整の対象になることが多いものです。これらの影響を受けることなく、長く勤めたいものですね(もちろん、正社員への道を進むのがベストですが……)。また地域によらず、しっかりと時給がもらえる仕事が安心です。看護師や介護、保育士などの専門職系の仕事の時給は、全国平均が1139円、一番低額地域の九州・沖縄で1000円とその差は139円となっています。すべてのエリアの時給も1000円を超え、更に地域差もあまり出ていません。専門性をもちそれを仕事に活かすことが、時給アップへの近道かもしれません。