貯蓄/貯蓄する基本の方法

外貨預金、いくらになったら損をする?(2ページ目)

円高のこの機会に円を外貨に替えて増やす、外貨預金を始めようと思っている人も多いはず。金利と為替、コストを考えると、満期時に外貨がいくらなら損をしないですむのか、始める前に必ずチェックしましょう。

山口 京子

執筆者:山口 京子

家計簿・家計管理ガイド

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オーストラリアドルの手数料は5円!

外貨
米ドルは往復2円、豪ドルは5円手数料がかかります。
今年の5月、オーストラリアの友人を尋ねていったとき、1豪ドルは100円でした。現地で買い物をするにも食事をするにも、高くて高くて物価高の東京の比ではありません。

ところが11月21日現在、1豪ドルはおよそ58円!!なんと、半年で約半額になったのです。今旅行すれば、オーストラリア中が半額セール状態です。(行きたい!)という事は、今円を豪ドルに替えれば、約2倍の豪ドルになる訳ですね。(くやしい!)

では、この機会に円を豪ドルに替えて貯金するとします。円を外貨に替える時、銀行は私たちに1豪ドル58円では替えてくれません。銀行も商売なので、手数料を取ります。

外貨にする時(TTS)
+1円~
■仲値(なかね)■
?1円~
円に戻す時(TTB)

銀行同士がお金をやり取りする仲値(なかね)よりも、私たちに外貨を売るときは高い値段、円に替えるときは安い値段で替えることになります。手数料は銀行、通貨によっても違います。

多くの銀行で豪ドル預金の手数料は、片道2円50銭です。58円が仲値だとすると、60円50銭で豪ドルに替え、円に替えるときは、55円50銭。円→豪ドル→円で、往復5円の手数料がかかります。

60円50銭に対して5円の手数料がかかったので、為替が動かないとしても、8.2%のマイナスです。1年ものの定期の金利が2.25%だとしても、預けた瞬間に利息がなくなってしまいます。

では、円にした時に元本を割らないのは、豪ドルがいくらの時でしょう?

損と得の分かれ道


上の条件で、1万豪ドル貯金をするとします。元本割れしないということは、同じ額で円に戻せればいいので、こういう流れになります。

60万5000円(1豪ドル=60.5円TTS)

1万豪ドル
↓ 1年後(金利2.25%)
1万225豪ドル
↓ 手取り(税金20%が利息にかかる)
1万180豪ドル

60万5000円(1豪ドル=59.53円TTB)

後は簡単!1万180豪ドルを60万5000円に替えるのですから、
60万5000円÷1万180豪ドル=59.53・・円

1豪ドル59.53円は、豪ドルを円に替えるときの値段なので、仲値はそれに2円50銭たした62.03円です。

1豪ドル58円の今、1年ものの定期預金を始めるとして、約4円3銭以上円安になるかどうかが損と得の分かれ道だということがわかります。これを損益分岐点といいます。62.03円よりも円高なら、満期が来てもそのまま外貨の普通預金に入れておこう!という作戦が取れるので、損益分岐点を知っておく事が外貨預金のリスクと上手につきあう第一歩です。

いかがでしたか?今回は外貨の中でも金利が高く人気も高い豪ドルのお話でした。その他の通貨のドル、ユーロ、ポンドでも是非計算して見て下さい。実際に外貨預金を始めるときは、必ず預ける銀行のサイトのシミュレーションや、コールセンター、窓口で損益分岐点を確認しましょう。

*記事本文は、紹介した金融商品を勧めるものではありません。金融商品については、必ずご自身で確認の上、預入、購入の判断はご自身でなさって下さい。

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