家計簿・家計管理/性格別の家計管理術

不妊治療と家計管理(2ページ目)

10組に1組のカップルが不妊で悩んでいると言われています。でも、不妊治療は、敷居とお金が高い!そこで、不妊治療のガイド池上さんと、かつて自分も読者だった家計管理ガイド山口がアドバイスします。

山口 京子

執筆者:山口 京子

家計簿・家計管理ガイド

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これだけかかる治療費+α

排卵!
『不妊治療』ガイド池上さんによる、排卵のイメージ。卵巣から卵がぽん!と飛び出る。
――不妊治療はステップがありますが、ここにタイミング療法から先の主な治療費の目安を書き出してみました。
■人工授精 1万円~3万円
■体外受精 30万円~50万円
■胚凍結保存 5万円
■凍結胚移植 10万円 
■顕微授精 30万円~50万円

受精しなかった、妊娠に至らない場合はこの料金よりも低い料金を請求する病院もあります。処方される点滴やお薬によって料金がかわります。特殊技術を使った治療はさらに料金が加算されます。

池上「タイミング療法までは、保険診療ですから医療費の3割を負担するだけですが、人工授精からは、保険が使えない自由診療です。自由診療は、治療費を医療機関が自由に決めますから、料金が違ってきます」

――最初に50万円くらいかな?と思っても、100万円近くかかった人もいますよね。

池上「そうです。料金に、薬代や高度な特殊技術が含まれていませんので、最終的にあなたの場合は、こうなりますという説明を事前に受けておかないといけません」

――地方に住んでいて、専門クリニックが近くにない人で、東京の有名なクリニックで治療を受けたい!という人は、交通費と、宿泊代がかかるケースもありますね。

池上「県によっては、数件しか専門クリニックがないところもありますので、そこまで通うなら、東京に行こうという人もいますね」

――不妊に関する調査で、通院7年以上の人は5割。体外受精経験者で、200万円以上使った人は4割います。(不妊当事者の経験と意識に関する調査 白井千晶 出産と不妊の社会学)

池上「最初の2年、タイミングや人工授精をしたとして、5年間体外受精や顕微授精をしたら、途中で休んでも子ども1人産むのに、1000万円かかります」

――毎月、50万円家計から捻出出来る人も限られますが、『不妊治療』の専門家としてアドバイスはないですか?

池上「まず1つ目、倍の料金だからって、2倍の妊娠率かというと、そうではありません。2つ目、タイミングと人工授精を合わせて10回しても、体外受精1回分です。医療機関によっては、ステップをふまずに最終段階の顕微授精をすすめられるところがありますが、若いカップルならタイミング療法や人工授精で妊娠出来る可能性も充分あるので、ステップアップをする方がおトクです。

3つ目、男性も一緒に治療を受ける事。不妊は女性の問題と思われがちですが、原因の半分は男性にあります。男性に原因があるとわかれば、すぐに治療が出来るので、ムダな時間とお金をかけなくてすみます。最近は男性専門のクリニックもありますので、恥ずかしい思いをしなくてもいいですよ」

――すごくいいアドバイス、わたしみたいに「どーしよーかな~」と2年間も悩まない事ですね。女性は年齢が上がると妊娠しにくくなりますから、夫婦で治療について話せる関係を作っておく事も大事ですね。

池上「だいたい不妊治療クリニックの門を叩くまで、1~2年くらいかかっているみたいですね。この記事を読んだら『オールアバウトにこんな風に書いてあるから、一緒に行く?』と言って欲しいですね」

■アドバイス
・ステップアップで治療をすすめる
・治療費の総額を最初に聞いておく
・この記事を、夫、妻に見せる、もしくはネタにする

次のページでは、家計管理山口からのアドバイス。

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