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過熱する自動車周辺機器ビジネス(2ページ目)

カーナビ、カーオーディオなど、自動車周辺機器ビジネスが熱い。自動車メーカーは新車販売の鈍化により、周辺機器分野への取り組みを強化。カーナビではメーカー純正の販売台数が増加中。専業はどう立ち向かう?

執筆者:保田 隆明

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車が売れなければ、周辺分野で稼ぐしかない


以上のような背景で、最近では自動車メーカーはカーナビなど周辺分野への取り組みを強化しています。自動車は買い替えなくとも、カーナビは買い換える可能性があります。自動車の高機能化は飽和してしまったものの、カーナビはワンセグ対応化、インターネット接続、液晶画面の拡大など、機能面、操作面でもまだ改善の余地が残されています。

従来カーナビは専業メーカーである、パイオニア、クラリオン、松下電器などが強い分野ですが、そこに自動車メーカーが純正ナビの装着率を高くして挑もうとしているのです。

カーナビは車の購入時に購入する割合が当然高く、その点後発ながら自動車メーカーの純正ナビが今後市場シェアを高めていける可能性はあります。他方、従来からの専業メーカーは、過去からの技術、知識、経験、そして顧客とのやり取りの蓄積からよりよい商品を開発し、市場での地位を確固たるものにしたいと考えているところでしょう。

新車販売台数の減少は、カーナビの販売台数にも影響を与えるわけですが、それに加えて、自動車メーカーがナビの分野への取り組みを強化することにより、カーナビメーカーにとっては、ダブルで競争環境が厳しくなります。カーナビメーカーは、松下以外ではカーナビ事業が全社の収益に占める割合が高い企業が多い状況です。まさに本業そのものの分野に自動車メーカーが殴り込みをかけてくるのです。どこまで競争力を維持できるか、向こう1~2年が勝負の時期となることだと思われます。そして、もしナビの収益環境が悪化することがあれば、ほかに収益源を保有しているかどうかがナビメーカーにとって重要となってきます。自動車販売台数の減少によって、玉突き的に周辺分野が影響を受けていくのです。


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