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今さらドリンクスタンドが流行るワケ

最近、バーやドリンクスタンドが人気の様子。少し前から立ち飲みバーが流行り、そして最近は駅中でよく見かける牛乳バーや野菜ジュースバー。そしてアメリカ発のスムージーも上陸。さてその背景は?

執筆者:保田 隆明

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midtown
健康志向の表れ…?
最近、ドリンクスタンドが人気の様子です。牛乳バーや野菜ジュースバーを駅中で見かけるようになりました。そしてアメリカ発のスムージーも上陸しました。これらの背景はいったいどういうものでしょうか?

チョイスの少なさが功を奏す


ドリンクスタンドではスペースが限られているため、自ずと提供できる商品の種類は限られてきます。モノを売るときは、多種多様な商品をそろえて、幅広い顧客層をターゲットとしたいと思うところです。ドリンクスタンドであれば、定番のコーヒーも提供できた方が売上は上がるんじゃないかと思ってしまったりします。しかし、提供する商品の種類が限られている方が、収益の効率性は高くなることが往々にしてあります。

まず、商品数が少ないため、業務がシンプルです。たくさんの種類の商品を抱える場合は、一つ一つの商品に関しての売上予測を立てて仕入れを行う必要があります。中には予測が大きく外れる商品が出てきます。一方、商品数が少ないと予測が立てやすくなります。また、チョイスが少ない分、商品の受け渡しにかかる時間も削減でき、料金設定が絞られることによりレジでの代金の受け渡しはスムーズです。

習慣化し行動の一部になると、確実なリピーターを確保できる


日々の通勤ルートや営業ルートは頻繁に変わるものではないので、私たちが飲食関連商品を購入する場所はある程度固定してきます。毎日同じコンビニに行くという人も多いでしょう。

これが、牛乳や野菜ジュースのように、健康にいいとされているものであれば、より毎日継続して飲もうという気持ちになります。そしてそれらが駅中にあれば、通勤時に通う人が増えてくるはずです。

商品販売上重要なのは、このリピーターをいかに確保するかという点です。そのためには、消費者の行動パターンに組み込んでもらう必要があるのですが、牛乳や野菜はその商品特性上、人々の導線に組み込めば着実に需要をつかむことができます。

コンビニの中においてある一商品という位置づけでは、いくら人々の行動パターンに組み込まれたとしても、他の商品との競合が存在するので、ドリンクスタンドという独立した店舗である方が訴求力は高くなります。

滞在時間と回転率


駅中にドリンクスタンドを設置すれば、自ずと客の滞在時間は短くなります。ゆっくりと通勤をする人はほとんどいませんので、すばやく飲んですぐに目的地に向かうことになります。早い人では購入してから飲み終わるまで30秒もかからないでしょう。

そうやって、ベルトコンベアーに乗ってくるように、次から次へと客が商品を買っては去っていくのです。つまり、回転率を高めることが可能なのです。スペースで勝負をする商売の場合は、このいかに回転率を高めるかという点は収益力の面で死活問題となってきます。特に、ドリンクのように商品単価が低い商品ではなおのことです。

単位面積あたり収益の発想


ただ、牛乳スタンドや野菜ジュースバーでは、売上の規模には自ずと限界があります。それゆえ、一般的には商売としてあまり魅力を感じないかもしれません。しかし、今まで見てきたことを総合すると、面積あたりの収益力は非常に高い事業となりうることが理解できます。

飲食に限らず、ホテルなど様々なサービス業は何らかのスペースで行いますので、この面積あたりの収益力が非常に重要なのです。

景気が回復し、高い商品もよく売れる時代になってきましたが、市場が成熟していることには変わりなく、その中では、いかに効率的に収益をあげるかが重要になってきます。成熟した市場では新たなニーズを発掘することが重要とされますが、既存商品の販売をより効率化するという視点も重要です。

アメリカからフルーツや野菜をベースとするドリンクであるスムージー屋が東京の八重洲に上陸しましたが、まさにベストタイミングでやってきたことになります。あとは、スムージーが健康にいいという点をいかに訴求できるかが勝負の分かれ目だと思います。


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