指値による外貨預金取引ってナニ?
2004年12月日、ドル円相場が一時、1ドル101円台まで円高が進みました。大統領選前までは110円近辺を推移していましたので、急激な円高トレンドにあるという風に考えられます。これを機会に、外貨建て金融商品への投資を考えている人も多いのではないでしょうか?そこで今回は、ソニー銀行が12月6日から開始した「指値による外貨預金取引」をご紹介します。
インターネットで外貨預金を指値で取引できる銀行は、ソニー銀行がはじめてのこと。簡単に言えば、私たちが普段投資に利用する外貨預金に、指値ができるようになったというだけ。通常、外貨預金をしようと思ったら、あらかじめ決められたその日のその時間のレートで取引します。このあらかじめ決められたレートを、自分で決めようというわけです。株式投資をやっている人であれば指値で注文することも多いと思いますので、理解しやすいと思います。
指値の方法は4通りある
指値の方法には、「ストレート」「ストップロス」の2種類あります。両方の取引を米ドル取引で具体的に解説したいと思います。
・ストレートとは、今より有利な価格で申し込む取引のことです。
現状が1米ドル105円である場合に、1米ドル102円で購入したいと考えた場合には、あらかじめ1米ドル102円で購入と指値を入れておきます。そして、今度は1米ドル105円で売却したいと考えた場合には、1米ドル105円で売却と指値をいれておきます。通常の外貨預金の取引に指値機能がついたというイメージです。
・ストップロスとは、今より不利な価格で申し込む取引のことです。
現状が1米ドル102円である場合に取引しようと思っていたのですが、思いのほか早く1米ドル104円になってしまい、さらなる安値になると思って購入したいと考えた場合には、あらかじめ1米ドル105円で購入と指値を入れておきます。1米ドル105円で購入できたのに、不覚にも1米ドル102円と円高になってしまったという場合には損をしているわけですから、あらかじめ1米ドル102円で売却する指値を入れておきます。主に損失の拡大を防ぐことを目的として、今の相場水準で取り引きを行うより、より不利な価格を指定するもので、株で言うところの「逆指値」でしょうか。
この他に、複合指値(OCD,IFD)があります。
・OCDは「One Cancel the Other」の略で、まずストレートとストップロスの両方で指値をして、どちらかが成立したらもう一つを取り消すというものです。
具体的には、現状が1米ドル104円で、1米ドル102円である場合にストレートで取引、1米ドル105円でストップロスの取引の指値をいれておきます。
・IFDは「IF Done」の略で、一つめの指値が成立したら次の指値が有効になるというものです。
具体的には、1米ドル102円で購入できた場合に、あらかじめ1米ドル105円で売却の指値を入れておきます。
ユーロや英ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドルの6種類あり、どの通貨も10万円以上から取引できます。毎週月曜日の8時から土曜日の5時59分まで申し込みを受け付け、指値の有効期限は土曜日の5時59分まで。手数料も1通貨あたり10銭です。忙しくてなかなか取引できないという場合には、これらの指値機能を活用するとよいと思います。
今回の円高ドル売り傾向は、「アメリカの双子の赤字問題が原因」などと言われているようですが、私には為替を動かす要因なんてさっぱりわかりません。そういうことは追求したらきりがありませんし、相場を動かせるわけでもありませんし……。個人的には、株のトレンド分析と同じで、為替もトレンドもテクニカル分析を使っています。現状では、目先1米ドル108円水準まで円売りドル買いがあるかもしれないと思っていますが、長いトレンドでは円高傾向、まずは100円台乗せ(もしくは109円台乗せ)が重要だと判断しています。というわけで、私も指値で外貨預金を試してみようと思い、ソニー銀行に口座を開設しました。機会があれば操作性などをこちらでご紹介できればと思います。
▼関連リンク
・ソニー銀行・プレスリリース(1)
・外貨預金ってどうなのよ?1
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