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自助努力の必要性が増してきます 団体年金の予定利率の下げ検討(2ページ目)

生命保険各社は2002年度から、団体年金保険について、予定利率を0.5%程度引き下げる方向で検討にはいっていると「日本経済新聞」に掲載されていました。

執筆者:岩上 拓治

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もし、前提条件であった運用率が達成できなければ、100万円の積立金を準備するためには、毎年の積立金を積み増さなければならなくなります。また、積立期間中に運用成果が期待できないため前提条件を変えたとすると、変更後の毎年の積立金への負担も増加しますし、これまでの積立不足額も発生します。
目標(100万円)を達成するためにはこの積立不足の額を埋める必要が出てきます。

例えば、当初運用率を年10%で見込んでいたのが、5年ほどたった段階で実は運用成果がゼロだったとします。その場合、今後の運用で取り戻すことを前提に当初計画を続行するか、そうでなければ積立計画自体を変更しなければなりません。通常の場合は前提条件を見直すこととなるでしょう。
仮に前提条件の運用率を年0%に変更した場合で説明します。当初から前提条件を年0%にしていた場合、年間の負担額は10万円で、5年後の積立残高は50万円になっています。しかし、途中まで10%で運用することを前提に年間6万円弱を負担していたとすると、5年後の積立金の残高は30万円にも達していません。(運用成果ゼロの場合)

今後の運用成果を0%として、あと5年で100万円に到達するためには、まず積立金の残高不足の20万円強を補填し、なおかつ今後の5年間については年間10万円を負担しなければならなくなるわけです。これらの負担ができれば、当初の予定通り10年後に100万円を準備することができるのですが、負担できなければ当初の計画を見直さなければならなくなるわけです。

年金の数理は上記のような簡単なものではありませんが、予定利率の変更が「企業の負担増」や「給付額の減額」につながる可能性がある理由についての例えのつもりです。

年金の予定利率は、数年前まで年5%以上でした。それが、超低金利や運用環境の低迷で徐々に低下してきていて、今回の見直しで1%弱に低下する可能性があるということです。
豊かな老後を迎えるための自助努力がますます必要な状況になってきました。
皆さんは、老後生活資金をどのように準備されていかれますか。
将来を見据えた、資金計画はしっかりたてておきたいものですね。
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