今、ほとんどの人が加入している医療保険。1日5000円、1万円を受け取れる保険ですが、退院させられてしまっては、それ以降1円も受け取ることができません。
しかし、まだ、働けるような身体の状態ではない場合、大きな負担がのしかかってきます。そんな状況を少しでもカバーするのが所得補償保険です。
所得補償保険とは
怪我や病気によって会社に行けない、仕事ができない状況になった場合、これを就業不能期間と言います。所得補償保険は、就業不能期間の収入を補うことを目的とし、就業不能状態になった場合に保険金額として設定した金額を受け取る保険です。
したがって保険金は、医療保険の1日いくらではなく、1カ月いくらと設定します。
就業不能の判定は、基本的には医師の診断によります。医師から自宅で安静にするよう指示を受けた場合などがこれに該当します。
医療の進歩により治療期間が短くなった病気もありますが、医師の監視下で積極的な治療が必要ないと判断されれば、患者は通院治療を余儀なくされます。
そんな通院状態にあっても働ける状態でなければ、保険金が支払われるのがこの保険です。
もちろん就業不能の状況であれば入院期間中でも保険金は支払われます。医療保険に入っていればダブルで受け取ることができます。
所得補償保険はサラリーマンより、個人事業主に向いている?
会社に勤めている場合は、会社の有給休暇や、健康保険等、就業不能の状況になった時にすでに国や健保から補償されています。ところが、会社の経営者であったり、自営業者、フリーター等の場合は、こうした補償は有りません。所得の減少がもろに来るのが自営業者です。ましてや長期間にわたった場合のその経済的負担はかなり大きくなると考えられます。
昨今、心の病であるうつ病等によって就業できない場合も増えてきています。
サラリーマンでもこうした状態が長期化してしまった場合を想定すると、この保険は大きな助けになると考えられます。
所得補償保険はどこで入る?
この保険は損害保険各社が商品としてもっていました。もちろん現在も損保会社が中心ですが、いずれも、1年から2年を補償する短期間のタイプです。長期間を補償する長期所得補償保険を扱うのは日立キャピタル損害保険、一社となります。
生保会社ではライフネット生命がやはり長期のタイプで補償内容がかなり近い就業不能保険をインターネット上で販売しています(免責が180日間)。
所得補償保険、加入前の重要なポイント
保険会社や商品によりますが、この保険は就業不能状態になってから、何日間か保険金が支払われない期間があります。これを免責期間といいます。所得補償保険は、この免責期間が設定されている場合がほとんどです。免責期間を超えても医学的にどのような仕事もできない就業不能状態が続いていることが保険金支払いの条件であるということです。分かりやすく言うと、就業不能になってもこの保険からはすぐに支払われないタイプのものが多いということです。
そして、この免責期間は保険料を大きく左右します。免責が短い保険ほど保険金を受け取る可能性が多いため、それだけ保険料は高くなるのです。
免責期間では長いもので半年間のものもあります。半年を過ぎてもなおも就業不能状態が続いていた、医者がそのように判断した場合を補償する商品です。加入にあたってはこの点が悩ましい点になると思われます。
一見、入院しなくても保険金がもらえるという点で大きなメリットに見えます、しかし、実際はそれなりの条件が付いているわけです。そのようなことも踏まえて、保険として成立しているわけです。十分な検討が必要でしょう。