基本は「格付」と「ソルベンシー・マージン比率」
「格付」
これは「格付会社」が生保の評価をしているもので、生保決算時期とは直接関係なく独自に発表します。以下の3社の格付が参考になります。
スタンダード&プアーズ(生保格付数25社)
ムーディーズ(同 15社)
R&I(同 24社)」
注意すべきは下位に格付された生保です。これまでに破綻した生保も、徐々に格付が下がり、下位の格付となっていきました。格付が下がって行くさまを一覧表で追っていっていた時期がありましたが、さまざまなうわさやマネー誌の解説よりも、もっと生保経営の実情が見えるような、そんな恐ろしさを感じていました。
「ソルベンシー・マージン比率」
これは通常の予測を越えて発生する大災害や株の大暴落などのリスクに対応できる「支払余力」を示す指標です。200%以上であれば「健全性の規準を満たしている」ことになっていますが、これはあくまでも行政監督上の規準ですので、500%を割り込んだら注意が必要だと考えるのがよいようです。
生保決算の簡単な見方
決算というと「貸借対照表と損益計算書」が注目されますが、生保の場合「契約面の業績」も重要なポイントです。
つまり生保経営が突然厳しくなることはなく、一般的は、ジワジワと契約業績に兆候が現れ、それが生保資金の収支に徐々に影響してくるパターンを取ります。
そこで、次ページの10項目を注意してみると、その生保が現在どのような経営状態かが把握できます。
【平成15年版『生命保険白書』 責任編集 大地一成氏 発行 新東京企画】が参考になります。