個人年金/個人年金保険の選び方

銀行窓口で一時払い終身保険に入る前に

銀行で終身保険に加入できるようになりました。今後窓口でパンフレットを見かけたり、銀行員に勧められて加入を検討する人も増えることでしょう。そんなあなたに失敗しない保険銀行加入の基本をお伝えします。

長島 良介

執筆者:長島 良介

生命保険ガイド

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銀行では保険といっても保障の少ない、保険とは名ばかりの貯蓄もしくは資産運用のための個人年金保険は販売されていました。しかし2005年の12月22日から保障性の強い一時払いの終身保険と養老保険が販売されるようになったのです。さて、これら、保障を確保できるタイプの保険は本当に銀行から加入してよいのでしょうか。

一時払い終身保険って何ですか

一時払い終身保険とは文字通り「一度で保険料を支払ってしまう一生涯の生命保険」です。生命保険といえば月払いで何年も保険料を支払うイメージが強いと思いますが、今回販売が解禁になったのは「一時払い」の保険のみです。

保険料はいくらから始められる?

生命保険には保険金(死亡時に受け取るお金)の最低ラインがあります。ある都銀で販売される一時払い終身保険は最低保険金額が300万円です。300万円の保険料は大よそ200万円程度。一時払い個人年金保険と同様まとまったお金が必要です。
おそらく、銀行からは、退職金等の運用の手段として勧められることでしょう。

貯蓄としての魅力はありますか?

なぜか保険で貯蓄はナンセンスという意見が絶えませんが、運用による損がない商品で考えると、普通預金や定期預金に比べ有利な利回りになることは確かです。積立利率変動型終身保険やドル建ての終身保険といった商品があり、ドル建ての終身保険は為替によるリスクはあるもののかなりの利回りが期待できます。

銀行で取り扱う外貨預金との比較も視野に入れてみて下さい。

ただし、終身保険であることは間違いありません。一旦は預けたお金を手元に戻す、すなわち解約となります。あくまで保障はそこでやめて、現金を手にするということです。

早期解約はお金が減ってしまうかも?

あくまで解約です。早期すなわち2年や3年で解約してしまうと元本割れ(支払った保険料の合計に比べ、受け取る保険料が少なくなってしまう)する商品もあります。加入時に「何年後に解約すればどれくらい戻ってくるか?」を確認できます。このことを確認し計画的に利用することが賢い保険の使い方です。 

保障としての魅力はありますか?

保険は掛け捨てと考えた場合、貯蓄性を兼ね備えた場合は、保障としての魅力は少ないのは確かです。しかし、貯蓄が主たる目的であれば保障の部分はそれほど大きくありませんが付加価値といえます。資金的に余裕があれば大きな補償の確保も可能です。

相続対策に有効と聞いたのですが

一時払い終身保険に限らず、生命保険は相続財産としては他の金融商品にはない利用価値があります。まず現金を相続する場合、必ず遺産分割の対象になります。しかし生命保険は受取人固有の資産ということで分割の対象にはなりません。もし、この人にお金を遺したいという場合は確実な方法の一つといえます。生きているうちに自分で「誰にいくらお金を残せるか」という対策が立てられるという大きな利点があります。

そしてもう一点。なんといっても死亡保険金として遺した場合の投資効果です。保険ですから支払った保険料よりも沢山戻ってくるのが当たり前という感じがしますが、これも他の金融商品では考えられない大きな効果であることは紛れもない事実です。

今までの個人年金に比べてどちらが良いのですか

今まで銀行が販売に力をいれ、非常に多くの人が加入した、個人年金保険ですが、おなじ窓口で買える保険として考えた場合前述した「保障」「相続対策」に価値を見出した場合は終身保険に軍配が上がりそうです。しかし、運用という点では、投資信託に近い個人年金保険には、叶わないでしょう。

ただし、個人年金は相続対策という観点からは平成22年度の税制改正により、相続税法24条の個人年金の評価におけるメリットはなくなってしまったことから、個人年金保険や終身保険の年金払いの受け取りのメリットは現在ではほとんどなくなってしまいました。

次に一時払い終身保険の種類について解説します。

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