養老保険や学資保険の解約をすすめられたら?
生命保険の見直しは、ほとんどのケースで保険料を下げることが目的です。この点からも、保険料が高く貯蓄性も高い保険を解約することが、手っ取り早い解決策として提示されることが多いようです。ただ、自分が加入している保険のうち、何が貯蓄性が高く、どれが掛け捨ての保険かも理解できていない人は少なくありません。そして、養老保険や学資保険は多くの場合、加入した目的が「貯蓄」であるにもかかわらず、預けたお金が増えるどころか、「保障」としての特約である入院、傷害、死亡保障がセットになっているケースが多く見受けられます。
そのために、これら特約保険料が貯蓄を食いつぶす形となり、元本割れになってしまうケースが多いのが実情です。
元本が割れる保険=悪い保険。これが解約理由のナンバーワンです。しかし、これは正解ではありません。
元本割れする貯蓄型の保険は悪い保険なのか
一部の心も知識も少ない保険外交員やFPを名乗る代理店は、「この保険は損をするから、やめましょう。保険料の負担が減りますよ」というアドバイスで、解約をすすめるでしょう。そして、掛け捨ての保険をすすめます。実際、貯蓄が目的であるのに、保険は保険だということで簡単に解約してしまい、本来の目標である貯蓄を途中であきらめてしまう方も少なくありません。
そこで、この記事を読んだ方にはちょっと冷静になって確認していただきたいのです。確かに、特約がついていれば元本割れする商品は多いです。ただし、これら元本割れする保険には、特約という保障がしっかりとついてくるわけです。
仮に毎月1万円支払って、元本(支払い保険料総額)の9割しか満期金がなかったとします。この場合、1割マイナスになっています。ただし、この保険には入院特約や災害割り増し(事故等でなくなった場合の上乗せ保障)がついています。
元本プラスアルファ(利息に該当する部分)から満期金を引いた金額がこの保障にあてられたと考えれば、月額1000円強で医療保険や事故死の際の生命保険に加入していたことになります。実際は大きな負担ではなかった、とも考えられないでしょうか。
もし本当に解約して切り替えるなら、この4つを実践
このように考えていけば、目先の元本割れにとらわれず、冷静に解約の損得が見極められるはずです。もし、「本当は保障なんていらなくて純粋な貯蓄をしたかったのに」という方なら、今すぐ以下のことを実行してください。
1. 外せる特約を全て確認します。保険会社に言えばすぐに教えてくれるはずです。
2. 特約を外した場合の保険料、「今後支払う保険料の合計」そして「満期金」を確認します。
3. 新たに提案されている、特約のついていない保険に加入し直した場合の保険料を教えてもらいます。「これから支払う保険料の合計」及び「満期金」を確認します。
4. 「1」と「2」を比較して、どちらがたくさん戻ってくるのか(どちらのほうが得か)を比べます。
こうすれば簡単に見直しが必要か否かがわかります、ぜひ実行してみてください。
保険料が安くなればそれでOKというわけではありません。続きは次のページ>>