相続・相続税/相続・相続税関連情報

親から引き継ぐ財産を守るには? 1000万円の贈与で231万円節税

贈与のやり方が2つあります。2003年創設された「相続時精算贈与」が注目されています。どちらの贈与が得か、親の財産を引き継ぐ時にどんな方法を取ればよいのか解説します。

執筆者:天野 隆

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最近「相続税」に関心をお持ちの方が増えてきたように思います。
ひとつにはテレビの番組で「遺言」や「相続放棄」が特集で取り上げられていることからもわかります。

また、昨年創設された「相続時精算贈与」に関してたくさんのご質問をいただいております。これはみなさん、大切な親の財産を守るための手段をあれこれ模索したり、残念ながら親が借金を残してしまったお子さまが、自分と家族をどう守っていけばよいのか真剣に考えている現れかと思われます。

やり方を間違えますと、親が残してくれた土地を売って、相続税を納めなければならなくなったりもします。相続税・贈与税もできれば少ないにこしたことはないでしょう。

そこで今回は「相続時精算贈与」を中心にどう財産を引き継ぐと、大切な財産を減らさずにすむのかお話していきます。

贈与の方法は2通り

贈与の方法は2通りあります。それぞれの特徴をお話しましょう。

暦年贈与
 ・従来よりあった贈与です。
 ・贈与税の税率は10~50%と贈与される金額が多くなるほど(※)税率は高く
  なります。
 (※)贈与金額と税率については、こちらのサイトをご覧ください。贈与税のしくみは
 ・贈与された財産は相続が発生した時に(※)相続財産の中には入りません。
 (※)相続財産:相続税がかかる財産
 (ただし、相続開始前3年以内に贈与された財産は相続財産となります)
 ・年間1人当たり110万円までは基礎控除となり無税です。
 
相続時精算贈与
 ・贈与された財産を相続が発生した時に相続財産として計算されます。
 ・1人の贈与者から生涯贈与される非課税枠が2500万円となります。
 (住宅取得のための贈与の場合、3500万円まで非課税です)
 ・非課税枠の控除後の税率は一律20%となります。
 ・1度相続時精算贈与を選択しますと生涯、暦年贈与に変更できません。

相続時精算贈与については、こちらの記事をご覧ください。
2500万円まで贈与が非課税に [All About 相続]

どんな場合にお得なのでしょう

「相続時精算贈与を選んで得ですか、損ですか」という質問をよく受けます。この制度は贈与時の贈与税は安くなりますが、相続時に相続税が高くなる場合があります。「行きはよいよい、帰りは怖い。」というものです。得な場合は、アパートを複数持っている方の場合と自社株が将来値上がりしそうな場合があてはまります。

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