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あなたなの目的地は?

財産の遺し方について相談を受けることがあります。財産を遺そうとする人、財産を使ってしまおうとする人、ご相談者の真剣な思い(目的)が伝わってきます。それぞれの事例をご紹介します。

ケース1 遺志を継いでもらうために財産を遺す

子供達に遺志を継いでもらうために財産を遺すという方がいました。不動産賃貸事業をされている方です。「良質な住宅街を作りたい。収益だけを考えれば、容積率・建ぺい率いっぱいの建物を建てて、各部屋を小さくし、世帯数を最大にすればいい。しかし、私は、地域の環境問題を優先し、植栽や庭石などがあり、心が安らぐ良質な住宅街を作りたい。将来、建て替えのときにも、子供たちに是非それを続けて欲しい。それをやるには、財産がなくては出来ない。恒産無くては恒心なし。だから、財産を遺したい」

ケース2 野鳥の森を遺したい

相続が発生された方からご相談を頂きました。「父は野鳥の森を遺す事に生涯を捧げてきました。どんな事をしても、野鳥の森を遺したいのです」「家が小さくなっても結構です。私たちの生活は不便になってもいいですから…」、娘さんたちの強い願いでした。「相続税を安くして下さい」という単なる節税ニーズだけでない事がわかりました。便利で価値がある広大な敷地が野鳥の森になっていました。相続税を払うためには、どう計算しても、野鳥の森の一部でも売却しないと納税が出来ないことが分かります。このまま遺せないことが分かりました。

結局、財団法人への寄付で動きました。相続税の申告期限までに寄付すれば、この土地は非課税になるからです。非課税になれば、相続税がかなり減額され、他の土地を売却することで納税が出来ますので、野鳥の森を切売りせずに済みます。野鳥の森として守ってくれるところを捜し、契約を結びます。きちんと亡くなられたお父様の意思を引き継いでいただかないと困るからです。 寄付は完了し、野鳥の森は非課税となり、家はさほど小さくならずに済みました。所有者は代わりましたが、野鳥の森は遺せました。「相(すがた)を続けるのが相続」と教えて頂いた案件でした。

ケース3 美田を残さない

一方、「子孫に美田を残さない。自分の人生は自分で開きなさい。美田が争いの素である。遺すために人生を過ごすのではない。価値ある人生にするためには、使い方が問われる」と言われた方がいました。子供が財産をあてし、努力をしない。さらに、ギャンブルで大損をする。そして、兄弟で相続争いをする。そんなものを見たくはないのでしょう。「自分の人生は、財産を遺すためにあるのではなく、財産を利用して何をするかが大切である。子供はそれを見ている。財産は、目的ではなく、目標を達成するための手段である」と言いたかったのでしょう。

目的地が分かれば行き方が分かる

財産を遺す方。財産を使う方。いずれの選択も、その目的によって違ってくるようです。目的地が分かれば、行き方が分かる。目的地を明確にすることは、旅行と違って簡単ではありませんが、重要な要素なのかもしれません。3つのケースを書かせて頂きました。あなたのケースではいかがでしょうか?

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