防災/災害の種類と対策

津波災害にあわないために

津波は自然災害の中でももっとも強大で、多くの被害者を出してしまう災害。海に囲まれた日本では最も気にかけていなければならないのだが、実際にはその意識はとても低いことが知られている。

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

津波とは地震によって起きる地殻変動(海底面)によりもたらせられる非常に大きな被害の可能性を持つ災害です。それは数十キロから数千キロの遠い海域で起きた地震によってもたらされることもあり、台風や強風によってもたらされる高波や波浪とは全く違うものです。

地震発生時にテレビなどの報道で、数十センチの津波の発生の可能性があるなどといいますが、これを「たいしたことない」と思うことは非常に危険です。入り組んだ湾や急激に浅くなっているような海岸では、その構造によって津波の高さが数倍になる可能性もあるからです。

津波の危険をもっと知ろう

海岸
一見おだやかな海岸ではあるが急に浅くなったり、湾状になった海岸では津波が急に大きくなる可能性があることを覚えておこう。
津波のパワーは、海水面の表面だけが持ち上がるものではなく、押し上げられた水そのものが大量に横方向に移動するため、強大なパワーとスピードが生じます。そのスピードは時速数百キロに及ぶこともあります。数十センチの津波と言ってもそのエネルギーは強大で、さまざまなものをなぎ倒して陸地を駆け上がります。1m近くにもなれば木造家屋への被害も甚大になり、それ以上の場合は多くの人命を脅かすような大きな被害の可能性が出てきます。これまでの自然災害の中でも最も多くの人命を失うことになった2004年に発生したスマトラ沖地震では確認できているだけで24万人の死者・行方不明者を出しています。

国内では記憶に新しいものでは1993年に発生した北海道南西沖地震があり、このときは230名もの尊い命が失われました。また、1896年に発生した明治三陸津波では2万2000人もの死者・行方不明者があったとされ、海に囲まれた我が国ではそれ以前にも津波被害によってたびたび多くの被害者を出しています。

それでは津波被害に遭わないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。
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