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シリーズ:賢い購入資金・頭金づくり基礎講座 NO.5 親から借りるならココに注意!(2ページ目)

親から住宅資金を「もらう」のではなく「借りる」場合、いくつかの注意点があります。これを守らないと贈与とみなされて、多額の贈与税や加算税、延滞税までかかってくる可能性もあるのです。借りる人は要注目!

執筆者:菱田 雅生

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証拠を残すことが大切

その1:借用証書を作る

親子間のお金の貸し借りでも、いくらを、いつまでに、どうやって返していくのかを明確にしておく必要があります。そのためには借用証書や金銭消費貸借契約書などを取り交わしておくのが一番です。書式は一定のフォーマットがあるわけではありませんので自由ですが、日付や金額、利息(利率)、返済回数、返済期日などといった最低限の項目がもれないよう、市販されているサンプルなどを参考に作るのがよいでしょう。

ちなみに、借用証書や金銭消費貸借契約書を作らなくても、お金の貸し借り(=金銭消費貸借契約)自体は有効です。ただ、第三者(とくに税務署)にもわかるように、その証拠を残すためには作っておくべきです。

その2:利息をつけて返す

これは、借用証書の中に記載すべき項目の一つですが、借金には当然利息をつける必要があります。利息の額をいくらにするか(=利率を何%にするか)、利息をいつ支払うか、というのは自由です。

ただし、利率を0%(つまり利息ナシ)にしてしまうのは、利息分の贈与とみなされる可能性があります。とはいえ、何%以上にしなければいけないという決まりはなく、市場金利と同程度であれば問題ないようです。最近の民間金融機関で取り扱っている短期固定タイプの住宅ローン商品をみると、当初の金利が年0.5%という商品も登場してきているので、親子間の借金で設定する金利もかなり低くしたとしても問題にはならないと思われます。

その3:返している証拠を残す

返済の方法も双方が納得する方法であれば、自由に設定できます。毎月でなくても、2ヵ月に一度、半年に一度といったように定期的に返していくのであれば問題ありません。ただし、定期的に返しているのかどうかを、わかるようにしておく必要があります。

そのために一番有効な方法は、銀行や郵便局などから親の口座に振り込むかたちにするのがよいでしょう。振り込み忘れてしまう可能性が心配なら、毎月一定の日に自動送金するようにしておくのもひとつです。たとえば、郵便局では総合通帳(ぱるる)間の自動送金だと1回140円の手数料ですむようになっています。

なお、贈与にあたるかどうかが心配な場合は、借用証書を作った段階で税務署に確認してみるのもよいでしょう。


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