住宅購入のお金/住宅購入と税金

住民税の住宅ローン減税の申告を忘れずに!

現在住宅ローン減税を受けている人は、平成19年以降の税源移譲に伴い、住民税でも住宅ローン減税を受けることができます。そのためには、追加で申告の手続きをする必要があります。

村元 正明

執筆者:村元 正明

住宅にまつわるお金ガイド

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給与所得者の2年目以降の通常の手続き

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住民税の住宅ローン減税の申告を忘れると増税になります!
給与所得者は住宅ローン減税を受けるために1年目に確定申告を行うと、その翌年からこれまでどおり勤務先で源泉徴収の手続きを行うので、2年目以降確定申告を行う必要はありません。

ただし、次の3つの書類を勤務先に提出する必要があります。

 1.年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書
 2.給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書
 3.住宅取得金に係る借入金の残高証明書

なお、1と2は確定申告をした年に税務署から郵送されてきます。3は金融機関から毎年郵送されてきます。なお、3年目以降は1と2の書類を毎年勤務先に提出します。具体的な提出方法は勤務先に確認しておきましょう。

住民税でも住宅ローン減税を受けるための手続きが必要!

平成19年より国から地方への税源移譲が始まりました。その結果、所得税の金額が少なくなり、所得税で削減された分が住民税へ移行されています。よって、所得税の住宅ローン減税で控除できない金額が生じた場合、この控除しきれない分を翌年度の個人住民税より減額する制度が創設されました(正式名称は「市町村民税・道府県民税 住宅借入金等特別控除」)。

ただし、自動的に住民税から控除される制度ではなく、住民税の減税を受けるために新たに申告手続きをする必要があります。もし、この手続きを怠ると、住民税からの控除がなくなるので実質増税となってしまいます。

■対象者
住民税の住宅ローン減税を受けられる人は、平成11年~18年に住宅ローンを借りてマイホームを購入し入居した人で、かつ平成19年以降も所得税の住宅ローン現在がある人が対象となります。給与所得者であれば、源泉徴収票の摘要欄に「住宅借入金等特別控除可能額」の金額が記載されている人が対象となります。もし、住宅借入金等特別控除可能額」の金額が記載がない場合は所得税だけで住宅ローン減税を満額受けられることになります。

■申告手続き
●給与所得のみで確定申告書を提出しない人
まずは、例年どおり所得税の「住宅借入金等特別控除申告書」を勤務先に提出します。毎年3月15日(平成20年は3月17日)までに、市町村役場で配布している「市町村民税・道府県民税 住宅借入金等特別税額控除申告書(給与収入のみを有しており確定申告書を提出しない納税義務者用)」という申告書に必要項目を記入し源泉徴収票を添付して、その年の1月1日時点で居住している市町村役場へ提出する必要があります。この申告手続きは毎年行わないと住民税の減税を受けることができません。面倒ですが忘れずに行いましょう。

●確定申告書を提出する人
確定申告時に「市町村民税・道府県民税 住宅借入金等特別税額控除申告書(確定申告書を提出する納税義務者用)」を、税務署又はその年の1月1日時点で居住している市町村役場へ提出する必要があります。

■減税額の計算方法
住民税の減税額は次のような方法で計算されます。

(住民税の減税額)=(次のAとBいずれかの少ない金額)?(前年分の所得税額) 
計算の結果がマイナスの場合は減税額ゼロ

 A.前年の「住宅借入金等特別控除可能額」の金額
 B.平成18年の税率による所得税額

●適用期間
平成20年度分から平成28年度分までの住民税において適用されます。

次のページでは、事例をもとに具体的な計算方法について解説します。
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