寝室の温度は16~19度が目安……冬の睡眠に適した寝室環境
寝室の室温調整は、夏より冬のほうが大切です
実験によると、布団や毛布を使うことによって、なんと室温が3度まではよく眠れるとされています。ただし、室温が低いと、呼吸によって肺が冷やされて体温が下がりすぎ、睡眠の質が悪くなります。そのため気持ちよく眠れる室温は、16~19度の範囲といわれています。
室温よりも睡眠に関係するのが、布団の中の温度。人が入ると布団の中の温度は急上昇し、そのあと安定します。気持ちよく眠っているときには、ほぼ32~34度に保たれています。布団の中が暑くなると、寝返りをうって布団の中の空気を入れ替えて、温度を下げています。
また、布団が冷えすぎていると、人が入ってもなかなか温度が上がらず、寝つきが悪くなります。そんなときはあらかじめ、電気毛布や湯たんぽで布団の中を温めておきます。ただし、電気毛布をつけたまま眠ると、睡眠中の自然な体温変化が妨げられるので、眠るときにはスイッチを切りましょう。
寒い寝室は危険! 脳卒中や心筋梗塞などのリスクも
寝室を温かくして、ナイトウエアや布団は少なめに
高齢者は室温が低い代わりに、衣類を多く着て、布団もたくさんかけて眠ります。下着と寝間着を合わせて5枚以上も着たうえに、毛布や電気毛布、厚い布団にくるまっている人もいます。
布団の中の温度からいうと、部屋を暖めても布団をたくさんかけても同じ効果なのですが、後者では気をつけなければいけないことが2つあります。
まず、布団が多いと重くなり、寝返りが妨げられます。寝返りは、布団の中の温度や湿度を調整するほかに、睡眠の段階を替えるきっかけにもなっています。ですから、自然な寝返りができないと、睡眠の質が悪くなってしまうのです。
さらに、布団の中と部屋の温度に大きな差があると、目覚めて布団を出たときに血圧が急上昇し、脳卒中や心筋梗塞の危険が高くなります。高齢者はもともと血圧が高く動脈硬化が進んでいる人が多いので、夜中や明け方に起きてトイレへ行くときは、十分に気をつけてください。
寝室の湿度は50%前後を目安に……乾燥する冬の快眠環境づくりに大切な加湿
冬は空気がとても乾燥します。特に太平洋側は乾燥が顕著です。寒さばかりを気にしてエアコンや電気ストーブなどを使うことで、室内の湿度はますます下がります。快適に眠るためには、寝室の湿度を50%前後に保つことが勧められています。湿度が低く乾燥しすぎていると、鼻やノドの粘膜をいためて睡眠の質が悪くなります。そのため、加湿器を使ったりぬれタオルをかけたりして、湿度を調整する必要があります。
とはいえ、加湿しすぎも禁物です。空気に含まれる水の量が一定だと、気温が下がるにつれ湿度が上がります。そのため、眠るときはちょうど良い湿度でも、加湿器をつけたまま眠ると、明け方に気温が下がったときに湿度が高くなりすぎて、結露してしまうことがあるのです。
結露するとカビが生えて、喘息(ぜんそく)やアレルギーが悪化し、不眠の原因になることがあります。そうならないためにも、湿度計で寝室の湿度をチェックして、不要なときには加湿器を止めましょう。
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