温泉/東北の温泉

安比温泉と草の湯 岩手県の野湯2題

この6月に岩手県の野湯2つに行きました。そのあと新安比温泉に寄りました以上三ヶ所のレポート。

執筆者:郡司 勇


この6月に岩手県の野湯2つに行きました。そのあとお気に入りの新安比温泉に寄りました以上三ヶ所のレポートです。

1 元安比温泉   野湯
  東京からやまびこ1号で盛岡に来て、レンタカーを借りてここの林道終点についたのは10時55分であった。小さな尾根を一つ越え安比川徒渉地点に着いたのは11時15分 ここから沢沿いに遡上して15分。計35分で木枠によってしっかりと浴槽が整備された温泉に到着した。6月の初旬というのに残雪が残り新緑の中を水芭蕉を見ながらの歩きでここは都会とは違うゆっくりとした時間を刻んでいる感じであった。5回ほどの徒渉は雪解けの清冽な水で足が凍りつくほど冷たい。温泉は水芭蕉の群落のある小台地になっていて美しい別天地という環境である。湯は透明な美しいもので塩ビの樋で流している。透明(白湯の華少量浮遊)、少苦味たまご味、弱い硫黄臭ありというもので単純硫黄泉または含硫黄芒硝石膏泉と推測される。43度ほどの適温で一部足元からも湧出が見られた。

2 草の湯  
 ここは凄い温泉であった。歩道を14分歩くと突然沢を渡るがこの沢全体が草の湯で流れの部分全てが硫黄で真っ白に析出している。36度から39度くらいの強い硫黄泉が少なくとも5箇所から湧出し岩と渓流の流れに出来た溜まりに浴槽1.2.3と3ヶ所浴槽が出来ている。まだ本日は誰も入っていないのであろう青色に透明の湯と、強いたまご甘味、強い硫黄臭であった。酸味はなく硫黄が濃いのみである。湯に入ると沈殿していた硫黄華が真っ黄色に舞いあがり黄白濁する。湧出口が良く見え原始的な感じを受ける。

3 新安比温泉 
  過去に湯巡りの最中にたいへん気に入り以後の予定をすべて変えて、突然泊まった温泉。間欠泉の池に時折噴き出す湯を見て鹿部や糸魚川を思い出したが今回はもう止まっていた。泉質名は53度のNa-Cl泉である。総計32950の驚くべき含有量。炭酸を1168含有し、そのほかMg 235 K244 Ca286 Fe24.3 Li28.9 HCO3 4795 Br 22などを含み濃厚なものである。CO2 1168 HS-1.3 H2S 1.2 も含有。木造の浴室で雰囲気は良いが析出物が以前より減少している。削って整備されているのであろう。茶褐色(15センチ)炭酸強塩甘味、金気土類臭。また分析でさらに特記する点はHBO2メタホウ酸が5487と多いことである。
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