一人暮らし/一人暮らしの食生活

外食から自炊生活へと変える7Step

健康と節約のためには自炊をした方がいいとはわかっているのだけれども……。そこで今回は無理せずに始める、忙しくても自炊生活をスタートできる7Stepをお届けします。

河野 真希

執筆者:河野 真希

一人暮らし・簡単一汁三菜レシピガイド

自炊生活は無理せず、できることから始めてみよう

料理
忙しい一人暮らしにとって毎日の料理は大変。でも、健康と節約のためにもできることから始めましょう。
健康と節約のためには、自炊をした方が絶対にいい。

このことは、一人暮らしをしている多くの方が思っていることかもしれません。でも、現実はなかなか厳しいもの。仕事や勉強が忙しくて料理をする暇がなかったり、食事時にはまだ家に帰れていなかったり、一人暮らしという自由気ままさゆえに怠けがちになってしまうこともあります。

一人暮らしを始めたばかりの人は「料理をしなきゃ。でも、時間もないし、慣れないから上手くいかない」なんてジレンマに陥ってしまうことも。でも、最初から何もかも完璧にいかないのは当たり前のこと。自己嫌悪になったり、苛々したりする必要なんてないんです。

一番大事なのはできることから始めて、きちんと続けていくこと。今回は、忙しくても自炊生活をスタートできる7Stepをお届けします。まずは無理せず、できることから始めてみましょう。

=INDEX=
■ Step1 栄養のバランスを意識しよう
■ Step2 一ヶ月の食費を計算してみよう
■ Step3 ご飯だけ炊こう
■ Step4 半調理品、冷凍食品、料理の素を使おう
■ Step5 一品だけ作ろう
■ Step6 休日だけ作ろう
■ Step7 一週間分のメニューを考えて、まとめ買いしよう


Step1 栄養のバランスを意識しよう

まずは自炊ができる環境にない人、または自炊をほとんどしたことがない人へのファーストステップ。外食やコンビニ弁当の選び方、注文の仕方や食べ方に気をつけるだけでも、健康への第一歩になります。

若いうちは体力と気力で乗り切れるかもしれませんが、偏った食事をずっと続けていると、疲れやストレスが溜まりやすくなり、すぐに体調を崩したり、一度太ると体重が減りにくくなることも。

節約という意味では、ファーストフードの方がその場では安く食べられるかもしれませんが、不規則な食事が原因で体調を崩して病院に頻繁に行くことになれば、そのお金は食費の比になりませんよ。

ラーメン
安くて美味しくてお腹も満足できるラーメン。でも、毎日こればっかりというのはダメ。
● 炭水化物は控えめに
お腹が空いているときにメニューを見ると、ついラーメンやうどん、そば、丼物などを頼んでしまいませんか。

確かに炭水化物中心のメニューは手軽に食べられ、満腹感も得られますが、ビタミンやミネラルなどが不足する一方で、カロリーは摂りすぎになってしまいます。できるなら、主食とメイン以外に、小鉢などが多くついている定食を選んで。麺類や丼のときは、煮物や酢の物など、野菜を中心とした一品つけることをおすすめします。

● ぐっと我慢して、エネルギーと塩分をカット
外食での一人前は性別や年齢に関係なく、誰にでも満足感を持ってもらうため、多めに盛られていたり、一口食べて「美味しい」と感じられるように味つけも濃い場合が多くあります。

一般的に成人の一日に必要となるカロリーは1800~2200kcalと言われています。性別や年齢でも異なってきますが、少なくともこれを越えないようには気をつけて。メニューや商品にカロリー数の記載があれば、必ずチェック。一食1000kcal以上食べれば、あっという間に一日の摂取カロリーをオーバーしてしまいます。ぐっと我慢を。

また、どうしても食べたいならば、モッタイナイけれど、少しずつ残すのも大事。特に麺類のラーメンなどの汁は飲み干したい気持ちはわかるけれども、最後まで飲まないこと。カロリーはもちろん、塩分の摂りすぎも控えられます。

野菜
栄養について詳しくなくても、食べ物の色を意識して食べるだけで、ぐんとバランスのよい食事に。
● 5色の食材を食べるように心がけて
栄養バランスが良い食事と言われても、何をどんなふうに食べたらいいのかわからないという人に目安として、赤・緑・黄・黒・白の5色の食べ物を意識するという方法があります。

例えば、赤はトマト・にんじん・肉…、緑はほうれん草・ピーマン・キャベツ…、黄はかぼちゃ・コーン・卵…、黒はしいたけ・わかめ・黒ゴマ…、白は大根・豆腐・米…。でも、これらを細かく考えるより食卓をぱっと見たときに、5食が並んでいればOK。一食にすべて入っていればベストですが、難しければ、一日で全色取り入れるように心がけるだけでも大きく違います。

外食やコンビニ弁当で好きなものだけを選んでいると、赤(肉)と白(ご飯・麺)が多くなりがち。意識して緑・黄・黒の食材も取り入れるようにしましょう。


Step2 一ヶ月の食費を計算してみよう

レシート
外食をしたり、コンビニ弁当を買ったときは、そのレシートをとっておく。一ヶ月まとめて計算すると…「節約しなきゃ!」という気持ちが湧いてくるかも。
外食派、コンビニ弁当派の人は、一ヶ月の食費がどれだけかかっているか知っていますか。3食外食とコンビニ弁当を続けたときの一ヶ月の食費を大雑把にではありますが、見積もってみましょう。

朝食(パン2個と牛乳) 400円×30日=12,000円
昼食(コンビニ弁当) 500円×30日=15,000円
夕食(定食) 800円×30日=24,000円
合計 51,000円


約5万円。例えば、手取りの月収を20万円だとすると、その4分の1が食費で消えてしまうことになります。もちろん、食べるものによってはもっと減らすことができるかもしれませんし、逆に飲み会や友達とのお付き合いなどを足せば、これでは収まらないかもしれません。これを高いと思うかどうかは人によりますが、実際の金額を知ると、その大きさに愕然とすることも少なくありません。

まず一度、自分がどのくらいのお金を食事に使っているのか、一ヶ月間調べてみてください。そして、それが自分の収入のどのくらいを占めるのか確認してみてください。面倒だと思われるかもしれませんが、食事にかかったすべてのレシートをまとめて取っておいて、一ヵ月後に足せばいいだけなので、それほど負担にもならないはず。自炊をはじめようという気持ちを作るきっかけになりますよ。



Step3 ご飯だけ炊こう

米を研ぐ
自炊生活への第一歩はご飯を炊く習慣から。無洗米を使えば、お米を研ぐ手間もカットできます。
Step2までで「これは自炊だ!」と思ったとしても、焦ってはダメです。「まずは形から」なんて調理器具や食器を買い始めたとしても、宝の持ち腐れになってはモッタイナイ。持っていないのであれば炊飯器、必ずタイマーがついているものを買いましょう。そして、まずはお米を炊いてみましょう。

「一人暮らしなら、一食分ずつ土鍋でご飯を炊いた方が美味しい」という声も聞きますが、炊き上がるまで見ていなければいけないので、忙しい人には難しい。炊飯器ならタイマーをセットしておけば、寝ている間でも、仕事中でもきちんと炊き上げてくれます。ご飯を多めに炊いて、余った分は一食分ずつラップに包んで冷凍しておけば、数日に一度だけの作業なので簡単です(参考:ガイド記事「ラクチン&美味しい冷凍保存 主食編」)。これくらいなら、相当な面倒がりの人でもできるのでは。

最初はこれ以上無理しない。あとは野菜が多めのお惣菜を2種類ほど買ってきて、インスタントのお味噌汁でもつければ、しっかりご飯になります。これだけでも大きな違いが出てくると思いますよ。


Step4 半調理品、冷凍食品、料理の素を使おう

缶詰
レトルトや冷凍食品、缶詰や瓶詰めなどは、忙しい一人暮らしのための強い味方です。
ご飯を炊く習慣が身についてきたら、次はごく簡単な料理にチャレンジ。最近は食材がすでに切ってあり、あとは軽く炒めたり煮たりするだけで完成する半調理品など、一人暮らし向けに手軽に料理ができるものが多くあります。また、冷凍食品や料理の素などは簡単に調理できる上に、長期間保存できるので、毎日自炊ができないからといって、食材が無駄になることがありません。

半調理品や冷凍食品などは、食材そのものを買うより割高にはなりますが、外食ほどはかかりません。料理に慣れていない人は説明書きを読みながら、その指示通りにやれば美味しいものが作れるんだから安心です。これをきっかけに料理が楽しくなることもあるかもしれませんよ。


Step5 一品だけ作ろう

スープ
ひとつの料理からアレンジできるものを考えると、家事の手間も省けて楽しい。
キッチンに立つことが苦でないようならば、次は一品だけ作ってみましょう。といっても、難しいものを作る必要はありません。

例えば、スープやお味噌汁など。煮込み系の料理は作り置きができて、温めなおせば何食かに分けて食べられますし、場合によっては時間が経った方が美味しくなることも。ガイド記事「自炊のススメ―スープを食べよう」でも紹介していますが、特に具沢山のスープはおすすめ。主食とメインに合わせてもいいですし、アレンジ料理も豊富です。

メイン料理を用意できるようになれば上出来ですが、最初はそのつけあわせを作った方が簡単。サラダやおひたし、酢の物などなら、慣れれば10分以内で用意できるでしょう。買ってきたお惣菜やお弁当だけでは偏りがちな栄養をプラスできます。


Step6 休日だけ作ろう

料理
一人分じゃ作る気になれなくても、恋人や友達を招いて一緒に料理をすれば、やる気も出てくるのでは!?
仕事のある日は毎日外食という人も栄養のバランスを整えるためには、休日だけでも自炊をするのをおすすめします。

ただ、「週に一度だけでは食材が無駄になってモッタイナイし、むしろ高くつく」というのが確かに難しいところ。割高でありますが、一人分の小さめのパックを買うようにしたり、缶詰や冷凍食品など長期保存の効くものを使うと無駄が減ります。野菜などはできるだけ新鮮なものを買い、野菜用の保存袋に入れてから冷蔵庫に保存しておくと、日持ちが違います。

あえて多めに買ったり作ったりして、残った食材や余った料理などを冷凍しておけば、忙しい平日でも電子レンジで温めなおすだけで、さっと手作りのご飯が用意できますよ。休日に一週間分とはいかなくても、数日分の食事だけでも準備できていれば、ずいぶんと楽になります。


Step7 一週間分のメニューを考えて、まとめ買いしよう

買い物
休みの日にまとめ買いをしておくと、日々の買出しをせずに、まっすぐ家に帰ってこられるので、疲れているときにもラクですよ。
ここまで自炊生活に馴染んできたら、ぜひおすすめしたいのがまとめ買い。ガイド記事「一週間分まとめ買いで食費節約!」で紹介しましたが、これは私が実践している節約&自炊テクニックです。ただ、毎日ではなくとも、ある程度定期的に料理ができる人でなければならないし、食材を見たときにいくつかのメニューが頭に浮かべられる程度の慣れも必要。

冷蔵庫に残っているものや常備食材などを頭に浮かべながら、大体のメニューを考えつつ、一週間分まとめて買い物をしてしまいます。何度も買い物に行かなくてもいいので、時間の節約。食材の無駄も減るし、余計なものまで買ってしまう無駄買いも減って、お金の節約にも効果的です。

メニューを考えるときは、例えばにんじんが残っていたとしたら、これにごぼうを足してきんぴらに。今度はごぼうが余ったら、冷蔵庫に残っていた油揚げと一緒に炊き込みご飯に…と次々順繰りに使えるような食材選びをします。ちょっと面倒に思えるかもしれませんが、余っていた食材を無駄なく食べ切ったときは、ピースがパチッとはまったパズルみたいな気持ちよさがありますよ。



一人暮らしも長くなり、年齢も重ねるうちにわかってきたこと。食事って本当に大事なんです。最初の方にも書きましたが、若いうちは何を食べても元気なんです。でも、三十路も越えれば、不規則な食事が続くと、風邪を引きやすくなったり、吹き出物が出たり、太りやすい上に痩せにくくなったり…。

私の実体験だからこそ、みなさんにも口を酸っぱくして言いたいと思います。毎日自炊ができないとしても、食べれれば何でもいいとは思わずに、できれば食事への意識と関心を忘れないでいてほしいと思います。

== 関連サイト ==
All About[一人暮らしの楽しみ方]一人暮らしの自炊のススメ
自炊のための手間と時間を少しでも節約できる方法をお届け。簡単に作れて、栄養豊富、しかも別の料理にアレンジ可能な七変化レシピを紹介します。
All About[一人暮らしの楽しみ方]ひとりご飯の簡単レシピ集
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節約のためもありますが、外食が続くと、『太る』という悩みがあることも。外食続きでも太らない食べ方を紹介しています。
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テーマとしては関係ないように思うかもしれませんが、一度目を通してみると、一人暮らしでも考えておきたい外食のリスクが伝わってきます。それでも、あなたは食べますか?
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