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縄文時代の謎解きツアー 諏訪大社後編(5ページ目)

ミステリーがいっぱいの諏訪大社の歴史、後半は縄文時代の謎解きに挑戦します。諏訪ではどうも、弥生人と縄文人の闘いがあったようです。縄文好きの岡本太郎さんが絶賛した石仏もご紹介。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド

御柱に乗りたかった
岡本太郎さん

さて、お話は、諏訪大社最大のイベントである御柱祭に戻ります。「芸術は爆発だ」の名セリフで知られるアーティストの岡本太郎さんは、生前、御柱祭をこよなく愛し、最大の見せ場であり、もっとも危険とされる「木落とし」(御柱に乗って急坂を滑り降りる)の際に、自分も乗りたいと願ったそうです。

しかし、地元の人に「不慣れな人が乗ると、死ぬ危険があります」と止められ、「死んで何が悪い。これは祭だろう?」とおっしゃったとか。
下社の木落としの様子。命知らずの人々が、御柱にまたがって崖をすべり降りる

結局、岡本さんの願いは叶いませんでしたが、「これは祭だろう?」も、「芸術は爆発だ」と並ぶ名言ですね。岡本さんにとって、御柱祭は、命を奉納しても本望と思えるほどの存在だったようです。

●岡本さんは、2004年の御柱祭で、遺影の形で木落としに参加することができたそうです

縄文式土器に衝撃を受ける

御柱祭で使われる巨大な縄。まるで巨大な蛇がとぐろを巻いているようだ
岡本さんは、昭和26年、40歳のときに東京国立博物館で縄文式土器を見て衝撃を受けます。炎が燃え上がるような火焔土器に、もっとも原始的で芸術的なパワーを感じたということです。

それから岡本さんは縄文文化を追い続け、御柱祭に行き着いたようです。男たちが命を賭して崖を滑り降りる様子に、縄文式土器と同じ、燃え上がる原初的なパワーを感じたのでしょうか。

次のページは、岡本太郎さんが愛した諏訪大社のもうひとつの素敵なオブジェについてです
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