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大宮八幡宮で珍しい七夕のルーツを見よう(2ページ目)

なぜか東京のヘソと呼ばれる杉並区の大宮八幡宮。こちらでは、世にも珍しい七夕のルーツを見ることができます。7月15日までと期間も長いし、周辺の森も涼しいので、プチ避暑にお出かけになってみては。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド


大宮八幡宮の七夕は
7月15日まで楽しめます

大宮八幡宮の七夕では、雅楽も奉納されます
大宮八幡宮は、都内でも規模の大きい神社で、季節ごとに、大きな祭礼や行事がしばしば行われます。とりわけ、春から初夏にかけて、薪能や七夕など、見ごたえがある行事が目白押し。立地と雰囲気がすこぶるよいので、どんな行事に出かけても、どこか遠くに来たような旅情が感じられます。

七夕は、7月1日から15日までと、長く楽しめます。メインの七夕祭りはさすがに7日だけですが、乞巧奠(きっこうでん)という、平安貴族の間で流行した七夕の飾りが15日まで見られ、8日と15日の夕方には、雅楽と神楽舞が奉納されます。普通の七夕は、子供たちが笹に願いごとを書いた短冊を飾り、織姫と彦星のロマンスに思いをはせるものですが、大宮八幡宮の七夕は、それとはちょっと違う、古式にのっとったものなのです。

巫女さんたちの舞も見られます


七夕のルーツを知ろう

七夕は、もともとは中国の魔よけの風習でした。そして、もともと日本には、棚機つ女(たなばたつめ)の伝説というものがありました。これは、お盆の先触れとして神様が天から降りて来られ、それを、清らかな乙女(それが棚機つ女)が、川のほとりで機(はた)を織りながら待つ、というものです。それらと織姫、彦星伝説がいつの間にか合体し、今のような七夕になったのだそうです。

乞巧奠の飾りは、宮中の伝統にのっとったもので、他ではめったに見られません

乞巧奠(きっこうでん)の飾りは、平安時代の宮中の女性たちが、七夕の日に、詩歌、管弦、裁縫などの上達を祈り、筆硯、雅楽器、五色の糸などを供えたものです。この乞巧奠は、日本中でも見られるところはあまりないという貴重なもので、珍しい雅楽の楽器や「梶の葉」という短冊のルーツになったものも見学できますので、夕涼みがてら、ぜひお出かけください。

短冊のルーツは、この梶の葉です
●七夕祭り 7月7日

●乞巧奠(きっこうでん)の飾り
7月1日から15日 9時~18時 

●雅楽の奉納
7月8日、15日 17時~。

場所はともに、結婚式場『清涼殿』ロビーです。
こちらには、なかなか感じのよい喫茶室もあって、お勧めです。


幽玄な雰囲気が漂う、大宮八幡宮の夕暮れ
■大宮八幡宮
・所在地:東京都杉並区大宮2-3-1
・電話:03-3311-0105
・交通・アクセス:井の頭線 「西永福駅」下車、徒歩7分
・地図:Yahoo!地図情報
・HP大宮八幡宮

●大宮八幡宮や堀の内の妙法寺など、
東京の知られざる散歩道については、
吉田さらさの「お江戸寺町散歩」(集英社be文庫)に、さらに詳しく掲載されています。

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