フランス/フランス関連情報

すっきりとした街並み、消えた電線の謎に迫る。 フランスの景観はなぜキレイ?(3ページ目)

何百年も昔のままと思われがちなフランスの街並み。でも一昔前には電柱が立ち並び、空には網の目のような電線があったことも。今ではフランス中どこに行っても見ることの出来なくなったあの電線はどこに行ったの?

執筆者:赤木 滋生

変圧器はどこに?


地中を走る管にコードを通す器具。太いメインのケーブルでも簡単にするすると通してしまう。
さすがに発電所から送られる高圧電線は今でも鉄塔で支えられ、空中を走っていますが町の近くに来れば地下にもぐり変電所に入ります。ところが、実際にフランスの町で変電所を目にすることは多くありません。いや、実は目にしてはいるのですが気付かないだけなんです。

少し町外れの高い塀に囲まれた殺風景な屋敷があれば門を見てみてください。EDFの表札が上がっていればそれが変電所です。入ってゆく高圧線もなければ出てゆく電線もありません。中を見ると昔電線が空中を走っていた頃のごつい焼物製の絶縁用碍子が、今は使われず形だけ残っています。中ではそれと分からず変圧器で電圧を下げ、各家庭やお店などにこっそり地下経由で送られているんです。

これがキャブと呼ばれる中継所。目立たないのでつい知らずに通り過ぎてしまうほど。
日本では電柱の上に変圧器などの器具が乗っかり、空中から各家庭に電気を引き込んでいますが、それに変わるものがフランスのキャブです。道路の片隅に目立たないように薄っぺらな箱がありますが、いたずら防止とそれ以上に危険防止のためにがんじょうな鍵がかかっています。
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