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デジタルカメラレビュー EXILIM PRO EX-P600レビュー(2ページ目)

新しいEXILIMが生まれた。その名もEXILIM PRO。PROという名を冠されたものの、その基本はあくまでもEXILIM。爆速、そして使い勝手のよさは変わりません。

清水 博之

執筆者:清水 博之

デジタルカメラガイド

レンズはキヤノン製4倍ズーム

レンズはEX-Z40等で採用されていたペンタックスのスライド収納ズームレンズから、キヤノン製の4倍ズームに変更された。

キヤノン製レンズ。起動はなかなか速いほう。

35ミリ換算で33~132mm/F2.8-4.0という大口径レンズだ。
屋内での撮影の際に「ワイド側にもう少し余裕があればなぁ」と思うこともないではなかったが、まあ普及機よりもさらに寄れる4倍ズームのメリットが勝るはずだ。
ただし、開放で撮影するときに四隅の光量低下が気になることがあったことは書いておくべきだろう。

欠点としてズームが段階的に移動してしまうことが挙げられる。このため、意図したフレーミングが行えないのだ。
『高級なEXILIM』であるはずの本機でこれはいただけない。
シームレスなズーミングを実現してもらいたかったところだ。

やはり省電力はPROでもキモ

EX-Z40/Z30において長足の進化を遂げた省電力機能であるが、このEX-P600でも継承されている。
CIPA規格で公称260枚となっているが、実際にそれと同等の撮影が可能であった。
日中屋外の撮影をメインとするのであれば、2泊ていどの旅行なら充電器を持ち歩かなくとも充分持つのではないだろうか。

バッテリーは専用充電池。EX-Z40/Z30のものと同サイズ。高いレベルの省電力機能はそのまま受け継がれている。

EXILIMといったらすなわち爆速!

これまでのEXILIMシリーズはその動作速度を売りにしてきたが、EX-P600も同様だ。
起動はこれまでと同様、2秒という高速起動を確保している。
EX-Z40/Z30よりはやや遅いものの『撮影可能となるまで2秒』という数字は、同クラスのものと比べても充分に競争力があるものとなっている。

オートフォーカスもかなり高いレベルで素早く、正確に合焦してくれる。EX Finderに表示される情報ともあいまって、なかなかに使い勝手はいい。
また、フォーカスロックしてからのシャッターラグもほとんど存在しないので、素早い動きの被写体を撮影するときも心強い。
さすがにデジタル一眼レフ並とまではいかないが、それに迫る速度といっていいだろう。

撮影だけではなく、再生や画像のズームなども素早く行ってくれる。
多くの場合、高画素になればなるほど再生が遅くなることが多い。しかし、EX-P600はストレスなく再生することができる。
これは画像エンジンとしてのEXILIMエンジンの高性能さを物語っている。

ただし、撮影した画像のメモリーカードへの格納はさほど早くはない。
何枚か撮影してからスイッチをオフにすると「処理中です」と表示され、なかなか電源が切れないことからもそれがわかる。
ただし、6枚分ていどのバッファメモリを搭載しているようなので連写性能自体は悪くはない。
そのおかげで「シャッターを切ったが最後、撮影できなくなってしまう」というようなシチュエーションはほとんどない。

EXボタンで素早く設定変更できるものの……

さらにこれまでになかったインターフェイスとして、EX-P600独自のEXキーが追加されている。
これはキヤノン製のデジカメにおけるFunc.キーと同等のもので、使用頻度の高い機能変更を素早く行えるようになっているものだ。

液晶ディスプレイの左下にあるため、いまひとつ使い勝手のよくないEXキー。

EXキーでは4つの機能──ホワイトバランス・ISO・測光方式・AFエリアの選択──が変更できる。
ただ、EXキー自体がやや押しにくいところがあるため、総合的な使い勝手がいまひとつになってしまったのが残念ではある。

10MBの内蔵メモリで救われるシチュエーションとは?

そして、EX-P600にはこれまでのEXILIMシリーズと同様、約10MBの内蔵メモリが存在している。
場合によってはこれが非常に活躍してくれることがある。
誰もがやったことがあるのではないだろうか。
デジタルカメラを持っていきながら、メモリーカードを入れ忘れていくという失敗を。

筆者も仕事でのポカはさすがにやったことはないが、プライベートで持ち歩いているコンパクトデジカメの中にメモリーカードが入っていなかったということは一度や二度ではない。
いや、威張れる話ではないのだが(笑)。

そんなとき、この約10MBの内蔵メモリは本当にありがたい存在として役立ってくれる。
さすがに600万画素のモードで撮影すると数枚で終わってしまうが、1600x1200の200万画素モード+標準画質で撮影すれば少なくとも二桁の撮影が可能となる。
とりあえず「どうしても必要な画像」は撮影できるといったところだろう。

ただ、Ex Finderモードでは残り撮影可能枚数が表示されないので、内蔵メモリでの撮影では通常モードでの撮影を心がけるようにすべきだろう。

さて、肝要なEX-P600の画質はどうか? 筆者的には意外な結果が出た。
(Page3へ)
Page1 EXILIMに高級機が誕生
・Page2 ハードウェアを俯瞰してみると……
Page3 画質は意外にも……
Page4 EXILIMという製品哲学
Page5 EXILIM PRO EX-P600 実写画像&スペック
■関連ガイド記事
EXILIM EX-S20レビュー
EXILIM ZOOM EX-Z3レビュー
春からのデジカメシーンを予測
画像エンジンとはなにか?


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