住宅購入のお金

【正直不動産2 第8話のあらすじをFPが考察】あなたの顧客情報は大丈夫?

ブラックなイメージが拭えない不動産業界。ドラマ「正直不動産」で描かれるような悪徳営業は本当にあるの?――。2月27日の第8話の放送内容を踏まえ、不動産を購入する際に住宅業界のここだけは気をつけたいポイントを確認していきましょう。

執筆者:All About 編集部

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顧客リスト

顧客リストが不動産屋さんの間で共有されることは実際にあるの?

ブラックなイメージが拭えない不動産業界。ドラマ「正直不動産」で描かれるような悪徳営業は本当にあるの?――。

山下智久さんが演じる、嘘のつけない不動産営業マン・永瀬財地が活躍する不動産業界のお仕事コメディーシリーズ第2弾「正直不動産2」(NHK総合)。

2月27日の第8話の放送内容を踏まえ、不動産を購入する際に住宅業界のここだけは気をつけたいポイントを確認していきましょう。

第8回の放送内容のおさらい、ネタバレ

ミネルヴァ不動産の神木(ディーン・フジオカ)に紹介されたという客が登坂不動産の永瀬のもとに訪れる。

不動産投資に失敗したこの客は、損を取り返すべく、新たな不動産投資を神木から勧められていたが、割高な物件価格に契約をためらっていた。そこで神木から、「正直者として有名」な永瀬の意見を求めるようアドバイスされたのだ。

契約を取るためなら嘘をもいとわない神木の営業スタイルを知る永瀬は、神木の真意を測りかねる。永瀬は客に新たな投資を思いとどまるようアドバイスするが、この客はなかなか決断できずにいた。

一方、永瀬の同僚の黒須(松田悟志)のもとにも不動産投資に失敗した別の客が訪れる。永瀬の客と同様、やはり神木から登坂不動産を紹介されたという。実はいずれも神木が仕掛けたワナであり、営業成績ナンバーワンを取れずに焦るフルコミ(完全歩合制)の黒須はまんまとはまってしまうのだった……。

住宅業界ここは気をつけたい! 顧客リストが共有されている?

ドラマの本筋としては上で述べた流れだったのですが、今回は、神木の紹介を受けて登坂不動産を訪れた客の2人の情報が、倒産したTGBコーポレーションというワンルーム専門の販売会社の顧客リストに載っていたことに注目したいと思います。

TGBコーポレーションは、気の弱そうな客を狙ってどう喝・恐喝のような悪徳営業を行っていたとして、行政処分を受けて倒産した業者でした。

神木は「だまされるやつは何度でもだまされる」と考え、TGBコーポレーションの顧客リストを1000万円で購入して強引な営業攻勢をかけていました。

このように、顧客リストが不動産屋さんの間で共有されることは実際にあるのでしょうか。

不動産屋さんの間での情報共有は考えにくいが例外もある

結論から言えば、個人情報保護法が施行されて久しいこともあり、全く関係のない不動産屋さんの間で顧客リストが売買されるなどして共有されるケースは少ないのではないでしょうか。

今にも倒産しそうな不動産屋さんや行政処分を受けて営業を停止しなければならない不動産屋さんであれば、苦し紛れに顧客リストを売り渡す可能性はありますが、通常は、広告費などをかけて取得した大切な顧客リストをたやすく同業の競合に売り渡すことは考えにくいためです。

もっとも、個人情報保護法を遵守している不動産屋さんであっても、名前や住所、電話番号、勤務先、年収などの個人情報を不動産屋さんが取得する際、グループ会社間で必要の範囲内で共有することを注意事項としてうたっている場合もあるようです。

そのため、例えばファミリータイプの新築マンションを内覧した際に、個人情報を提供したため、その後、グループ会社のワンルームマンションの投資部門の営業から不動産投資の勧誘の電話を受けるなんてこともあったりするのです。

不動産屋さんに問い合わせると永久にリスト化される?

一度不動産屋さんに問い合わせると、成約すれば、成約顧客リストへ移されますが、成約しなかったり、他の不動産屋さんで契約したりした場合には、まだ買っていない顧客としてリストに残ることになります。

そのため、しばらく経ってから、同じ営業マンや後輩の新人営業マンから再び電話がくることがあります。先輩の営業マンが量的に追いきれなかった客や、問い合わせをした当時は勤続年数が短かったり、年収が低かったりといった理由で住宅ローンを利用できないなど、見込みの低かった客を追客(ついきゃく)してくるのです。

もちろん、追客されたおかげでタイミング良く物件を紹介してもらえて購入に至るというケースもあることにはありますが、大抵は迷惑な電話であり、もう間に合っている電話になってしまうのです。

まとめ:追客にはこう対応したい

ここまで見てきたように、資料請求や物件の内覧などで不動産屋さんに個人情報を提供すると、しっかり追客されます。不動産以外の他の商品であれば追客されなかったり、記念日にカタログなどが送られてきたりするだけなのと比較しても、異様なことかもしれません。

対策としては、既に物件を購入済みである、あるいは購入する意向がないなど、これ以上の連絡が不要であることをキッパリ伝えることです。それでもしつこく連絡が来るようであれば、連絡先をブロックするしか手立てはないでしょう。

不動産の購入を検討する場合、多くの不動産屋さんを回る方もいらっしゃいますが、それはそれで比較できるメリットがあるものの、個人情報の管理の観点からは、後々の対応が面倒と言えるかもしれません。

文:みちば まなぶ(ファイナンシャルプランナー)
大学卒業後、大手ハウスメーカーや不動産業者などを経て、住宅ローンを切り口に、住宅購入をはじめとしたライフプランニングを提案する1級FP技能士。

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