亀山早苗の恋愛コラム

こんな人だったとは…?ふとした日常会話で気づいてしまった正直ガッカリな「夫の本性」(2ページ目)

ふとしたときに飛び出す「思ってもいないこと」こそが、その人の本性なのかもしれない。信頼しあう家族であっても、その言葉の意外性に失望することだってある。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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家族観の違いがさらに見えてきて

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結婚10年、夫婦の家族観が違いすぎて「ほぼ諦めています」と言うのはサユリさん(40歳)だ。サユリさんの実家は、「家族といえども他人」と考えていた。仲が悪いわけではないが、それぞれが好きなことをすればいいと両親ともに思っていたようだ。

「母は、私が結婚したあと、なぜか韓国に留学。どうやら韓流スターが好きになって勉強を始め、留学を決意したらしい。父はそんな母を経済的にも支援しながら、会社員のかたわら副業で友人と会社を立ち上げました。兄は兄で5年前に脱サラして、今は北海道にいるらしいです。全員、本当に好きなように生きている」

そんな気風の家庭だったから、サユリさんも親を頼るわけでもなく、家族がときどきは集まるものだと思うこともなかった。生きていればいつかは会えるのだからと気軽に考えていたのだ。

「ところが夫の家はそうじゃなかった。1カ月に1回は家族が集まり、年に数回は親戚中が集まる。私は面倒だなと思うから行かなかったし、夫もそれでいいと言っていた。それなのに最近、やたらと私も実家へと誘うんです」

おそらく両親が高齢になってきて寂しがっているのだろうと推察しているが、夫の実家近くには妹一家が住んでいる。

「家族がベタベタ一緒にいるのが、私にはどうもよくわからなくて。批判しているわけではなくて、本当にわからない。時間がもったいないとも思うし」

サユリさん夫婦には、9歳と6歳の子がいる。ふたりともフルタイムで働いているから、とにかく忙しい。親戚の間で窮屈な思いをする時間があるなら、我が子とゆっくり過ごしたいのがサユリさんの本音だ。

「子どもは18歳までですよ。それ以降は、もう親との接点がなくなってもいいと私は親の立場で思っている。それまでに私たちと子どもたちのいい思い出がたくさん作れれば、それでいい、と。まあ、夫はそうは思っていないようですが」

実家に行く行かないで、お互いの意見を出したとき、夫は「それにしても、サユリは本当に冷たいよな」とつぶやいた。

「ああ、そう思っていたのかとそこで初めて気づきました。結局、家族観を理解しあうなんて無理なのかもしれませんね。私の考えや育った環境を、夫は理解してくれていると思っていたけど、それは私の幻想だったとわかりました」

夫婦は理解しあえない存在。サユリさんの中で、それが決定的になった瞬間だった。とはいえ、夫とは今も家族でいるし、これからも変わりはない。ただ、彼女の中で意識が変わったのだ。

「他人だからこそ理解し合おうとすることが大事だと思ってきたけれど、家族観に関してだけは理解し合おうとするのもムダ。そう思うことにしました」

言葉にすると冷たく聞こえるが、決して彼女が冷たいわけではない。夫婦として諦めるべきところは諦め、協力できることはしていく。そのほうが効率的だと気づいたのだという。

「30年後に私たち、どんな夫婦になっているのか……。楽しみなような怖いような」

サユリさんはそう言って笑った。
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