老後が心配なのは十分な金融資産がないから!
単身世帯(20歳以上70歳未満)は、老後の生活について「非常に心配である(51.0%)」、「多少心配である(33.9%)」を合わせた84.9%が心配と答えています。心配だと答えた人たちは、その理由として、「十分な金融資産(運用のため、または、将来に備えて蓄えている部分)がないから(71.4%)」が最も多く、次いで多かったのが「年金や保険が十分ではないから(53.2%)」でした。その他には、「現在の生活に余裕がなく、老後に備えて準備(貯蓄など)していないから(27.9%)」、「生活の見通しが立たないほど物価が上昇することがあり得ると考えられるから(17.3%)」、「退職一時金が十分ではないから(17.0%)」、「再就職などにより収入が得られる見込みがないから(12.3%)」、「こどもなどからの援助が期待できないから(11.9%)」、「家賃の上昇により生活が苦しくなると見込まれるから(6.7%)」、「マイホームを取得できる見込みがないから(4.9%)」という理由が挙がっています。
70%強の世帯が「十分な金融資産がないから」を挙げていますが、それを裏付けるように「金融資産を保有していない」世帯が46.4%でした。年代別では、20代(61.0%)、30代(40.4%)、40代(45.93%)、50代(43.0%)、60代(37.3%)と、当然のことながら、年代が上がるほど金融資産を保有していない割合が減っています。50代の40%強、60代の40%弱は蓄えがないのが非常に気になります。
年金では日常生活もまかなえないと
考えている単身世帯が60%!
さて、単身世帯は年金についてどう考えているのでしょうか?「日常生活費程度もまかなうのが難しい(57.8%)」、「ゆとりはないが日常生活費程度はまかなえる(37.4%)」、「さほど不自由なく暮らせる(4.8%)」で、約60%は日常生活費程度もまかなうのが難しいと考えています。では、老後の生活費の収入源は?「1位=年金(55.8%)」、「2位=就業による収入(45.6%)」、「3位=企業年金、個人年金、保険金(28.4%)」、「4位=金融資産の取り崩し(24.6%)」と、妥当な答えです。
一方、「国や市町村などからの公的援助(10.0%)」、「こどもなどからの援助(1.2%)」という答えもあり、自助努力は限界と考える世帯もあるということのようです。
ただ、現在、すでに公的援助と子世帯に余裕がなくなりつつあります。将来は、もっと余裕がなくなるのは想像できますよね。ですから、単身世帯に限らず、老後の生活費のための貯蓄は計画的にしたいものです。そして、働き続けられるようなキャリアプランを考えましょう。
※本文は、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査・単身世帯調査(2017年)」の調査結果をもとにしています。