ミュージカル/ミュージカル・スペシャルインタビュー

華麗な舞台に溜息!『TOP HAT』主演&スタッフ取材(2ページ目)

輝くばかりにゴージャスで、ため息が出るほどロマンティック。ミュージカル映画史に燦然と輝くフレッド・アステア主演映画を舞台化し、英国で大ヒットした『TOP HAT』が、遂に来日公演を行います。イギリスで社会現象にまでなった本作の魅力を、日本公演で主演予定のキャストと演出家、振付家への取材を通し、たっぷりとお届けします!*観劇レポートを追記しました*

松島 まり乃

執筆者:松島 まり乃

ミュージカルガイド

「ロマンスとドラマが一体化した振り付けが
あまりに素敵で、踊らずにはいられません」

Photo by Max Lacome-Shaw

Photo by Max Lacome-Shaw

――冒頭の「Puttin’ On The Ritz」という大勢のタップナンバーは壮観ですが、全員同じ振付にも関わらず、ひとめでジェリーがスターだとわかります。振付のビルは、アランさんの跳躍力に負うところが大きいとおっしゃっていました。

アラン「何もせずともスター・オーラが滲み出てしまう……というのは冗談(笑)。実は全員、両肘をぴたっと体につけて踊るなかで、ジェリーだけは少しだけ肘を離していい、と言っていただいているので、それが皆と違って見える理由ではないかな」

――一幕終わりの「TOP HAT」もビッグナンバーです。
Photo by Max Lacome-Shaw

Photo by Max Lacome-Shaw

アラン「『Puttin’~』がアフリカ系アメリカ人のタップ色が濃いのに対して、こちらはトップハットに燕尾服という正装での、フォーマルなダンス。僕は人にダンスを教えることもありますが、このスタイルを教える時には、“背中に神経を集中して”と言うんです。両肩に荷物を下げているつもりで、背筋を伸ばしてバランスをとる。エレガントで、個人的にも大好きなダンスです」

――“Heaven~, I’m in Heaven~”というあの有名なメロディで始まるデュエット・ダンス「Cheek to Cheek」にはうっとりさせられますね。
Photo by Max Lacome-Shaw

Photo by Max Lacome-Shaw

シャーロット「踊る前にちょっと身構えてしまうほど、実は肉体的にはとてもハードなのだけど(笑)、デイルの揺れる女心が非常に巧みに織り込まれた振付で、踊らずにはいられません」

アラン「終わると一瞬の静寂の後、かすかにメロディのリプライズが聞こえてくる…。あの余韻のある演出が、また実にいいんですよ」

――ユーモラスな台詞の中には、「僕は気が付けば突然踊っているんだ」というものもありますが、もしかしてこれはダンサーにとっては“真実”ですか?

シャーロット「確かに、スーパーで買い物をしていて、知らぬ間にステップを踏み始めている…ということはよくあります(笑)」

アラン「昨日も飛行機の機内エンタテインメントを聴いていたらすごくいい曲があって、思わず振付が浮かんだし、二人で食事をしていても上半身がリズムをとり始めてた…ということもあるね(笑)」

――お二人とも幼少時からダンスを学んだのですね。

シャーロット「叔母が元バレエ・ダンサーで、彼女の教室で学びました。引っ込み思案でいつも隅っこに隠れていた私の可能性を見出し、数えきれないくらいアドバイスをしてくれましたね。今もすべての出演作を観に来て感想を言ってくれます」

アラン「僕は落ち着きのない子で(笑)、いつもキッチンで足を鳴らしていて、母が“そんなにうるさくしたいならタップ教室にでも行きなさい”と言い、父が“男の子がダンス?”と渋い顔をするのを脇目に、通いだしたんです。これが僕にぴったりで、10代でタップ選手権で優勝した後、ロイヤル・バレエのスクールでバレエの勉強もし、俳優デビューしました」

――アランは『クレイジー・フォー・ユー』、シャーロットは『ダーティ・ダンシング』等の主演作もありますが、本作の成功で、英国ミュージカル界での“スター”の座が確固たるものとなったと伺っています。今後の夢は?

アラン「ブレイクに溺れず、今は慎重にと心掛けています。自分の可能性を広げるためにも、次は悪役など、意表をついた役に挑戦したいですね」

シャーロット「ジンジャー・ロジャースが演じた役という、女優なら誰もが抱く夢がこんなに早く叶ってしまいました。小さな夢としては、次の舞台はロンドンとか、一か所に留まっての公演がいいですね。ここ数年間旅公演が続いていて、家族の顔が見られないのは、やっぱり寂しいもの」

アラン「一連の『TOP HAT』公演は今回の来日でひとまず終了ですが、今、英国ではアステア・スタイルのダンスがブームなので、アステア・ダンスのショーをやってみたい気もしますね」

誰も企画しなければ、僕ら二人で作ろうか?と微笑みあっていた二人。過去にも共演経験があり、相性もぴったりのアラン&シャーロット、ツアー最終地の日本では最高の『TOP HAT』を見せてくれそうです。

*次頁で演出のマシュー・ホワイト、振付のビル・ディーマーのインタビューをお届けします!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます