照明・LED

目をブルーライトから守るvs青色光でダイエット!?(2ページ目)

LEDの普及により、ブルーライトの目への影響が問題視されています。今のところどこまで悪影響を与えるかも分からない、不透明な部分がありますが、いずれにしても何かあってからでは遅いので予防が必要かと思います。特に直視するパソコンやスマホ画面にLEDが使われている場合は注意しましょう。一方でブルーライトとは少し意味が異なりますが、青色光による照明は使い方次第で良い方向に働くこともあります。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド


青色光でダイエット!?

飽食の時代、肥満は先進国を中心に蔓延しております。国によっては肥満による莫大な医療費の増加が社会問題になっております。そこでダイエットのために糖質や大食いなどを控えることを推奨していますが、食生活を変えることはなかなか大変で忍耐が必要です。

そのような中、先日ラジオで青色光(他の色を含まない青の波長のみの光)照明でダイエット効果があるとのニュースを聞きました。早速、その出典を調べてみました。それはアーカンソー大学のHan-Seok Seo(准教授)ら研究者による実験研究です。

前の晩に断食した112人(男性62名、女性50名)の被験者が翌朝3種類(白色光、黄色光、青色光)のLED照明下で料理(ハム、チーズオムレツとミニホットケーキ)を食べれるだけ食するという実験です。

参加者は3種類の照明ブースに、無作為に着席し、照明の違いで食欲や食事の摂取量の加減が起こっているかを調べたものです。

食欲については照明の違いがあっても、前夜に断食しているせいで、あまりその程度に変化はなかったようです。

しかし実際に食事の摂取量では明らかに差がみられています。しかもそれは男子に限られた傾向です。男子は視覚が敏感なせいか青い光の下での摂取量が他の色に比べ減少しています。

実際、青色の光は食事をまずそうに見せます。これは自然界に青色の食べ物が少ないことと、また青色の自然食の印象として未熟であったり、毒性を感じたりすることからでしょうか。(写真4)
果物の見え方

写真4. 白・黄・青色光照明による果物の見え方(イメージ)

一方で女性は光の色の違いに惑わせれることなく、どの光のもとでも同じような食事の摂取量がありました。つまり照明によるダイエット効果はあまり期待できないようです。これは、女性は視覚より臭覚、味覚の感度が高いせい、と分析されています。

照明の色を変えるだけでダイエット効果が期待できるのであれば、ダイエットを考えている人にとって朗報かもしれませんが、残念なことに女性はあまり効き目がないようです。でもいくらダイエット効果があると言っても、まずそうに見える照明はどうかと思います。特に料理の見た目を重視する日本人にとっては勧められそうもありません。

上記のような日常的な明るさの青色光の対して、日中のような明るい青色光は一部の蚊やハエのふ化を防ぐ効果があります。またある溶液を塗った歯に照射することで歯についた汚れを落とし、歯を白くするなどの効果もあるようです。

このように、青色光はその使い方で良くも悪くもなるほど、私たちが思っている以上に威力があるのです。

参考文献:
Blue lighting decreases the amount of food consumed in men but not in women appetite、85,111-117  Han-Seok Seo 他(2015)

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