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子どもを塾に通わせても成績が上がらない3つの理由(2ページ目)

子どもの成績を上げるために「塾に通わせる」という選択。間違いではないのですが、「子どもを塾に通わせれば、それだけで成績が上がる」という訳でもありません。なぜなのか考えてみました。

伊藤 敏雄

執筆者:伊藤 敏雄

学習・受験ガイド

2.そもそも、その塾では学力が上がらない

学習塾と言っても、個人経営の学習塾から、大手塾、有名FC塾まで様々です。一説によると、子どもを塾に通わせて成績が上がる割合は、2割とか3割程度と言われています。多く見積もっても、半数以上が塾に通わせても成績が上がらないと思われます。

この点について、もう少し説明しましょう。一斉形式で予習型の授業が多い「進学塾」に通うような上位層の子は、もともと学力が高い傾向にあり、たとえ成績向上が見込めたとしても、85点が90点になるなど伸びしろが限られてしまいます。

一方で、まだ伸びしろがあると考えられる中下位層の子は、個別指導の「補習塾」に集まる傾向にあります。しかし、この個別指導形式の塾というのが「くせもの」なのです。

最近、特に目立つのが、個別指導や自立学習を理念として掲げながら、学年関係なく生徒をブースに座らせて、講師の先生が順に回っていくというスタイルをとっている学習塾です。一見、効率の良い指導スタイルのように見えますが、それはあくまでも経営の観点からで、指導の観点からではありません。

その時々で、生徒がやりたい課題をやるだけなので、何か見通しを持って、継続的で一貫した指導がなされているわけではありません。講師も専任の講師というよりは、アルバイトの学生が多いのも難点です。

このように、伸びしろが多い生徒に対しては、十分な指導がなされているとは限らず、必ずしも成績向上という成果に結びついていないのが現状です。

こうして見てみると、学習塾に通わせれば成績が上がるという、はっきりとしたデータが存在しないのもうなずけます。

ただし、それはあくまでも「学習塾」全体として見た場合の話です。私の知る限り、はっきりと成績向上に結びついている良心的な塾はたくさんあります。そのような塾を見分けるポイントは、「生徒を獲得することに熱心なのか」「生徒を指導することに熱心なのか」の違いです。

子どもの力を伸ばしている塾に共通しているのが、生徒を獲得することよりも、むしろ獲得した生徒の指導に熱心な塾です。これは、日頃の塾の様子を子どもに聞いたり、塾のブログや塾からの配布物を読んだりすることでわかります。

これから入塾を考えている人は、この点を参考にしましょう。また、今、子どもを塾に通わせていて、家庭での支援も心がけているという人は、とりあえず3ヶ月~半年は様子をみましょう。それでも成果が出ない場合、その時、塾を辞める、あるいは変えることを検討すると良いでしょう。
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