マレーシア/マレーシア基本情報

幸運の象徴、みかん。マレーシアの中国正月(旧正月)(2ページ目)

春節、旧正月。多民族国家マレーシアは、人口の約1/4を中国系が占め、この時期はマレーシア全体がお祭りモード。真っ赤な飾りが町中を彩り、中国料理店はお祝いメニューを提供し、騒々しい音楽とともに獅子舞が通りをねり歩いています。町ぶらをしているだけでも楽しい、華やかな季節です。

古川 音

執筆者:古川 音

マレーシアガイド


世界トップクラスの技を持つライオンダンス

さてこの時期、イベントも必見です。都市の大型ショッピングモールでは、毎日華やかなショーを開催しています。皿回しや壷投げなどの古典的な中国芸能、大人数で動かすドラゴンダンス。そしてぜひ注目して欲しいのが、ライオンダンスです。
ライオンダンス

高さ2メートルほどの細い棒の上で軽やかな演技をする。見ている方はハラハラ(写真提供 Oh Chin Eng)

日本でも見かける家や店を1軒ずつまわるタイプの「獅子舞」も定番ですが、ここで紹介するのはアクロバティックな演技を見せるプロ集団のショーです。二人一組で衣装をまとい、まるで生きているかのように動くライオンの姿。高さ2メートルの棒の上という不安定な足場で、軽やかに飛び跳ね、ときにはわざと棒から落ちそうになったりと、ユーモアたっぷりに観客にアピールします。マレーシアのチームは世界大会で優勝経験があるほどの高レベル。見事なショーは一見の価値ありです。

故郷でアンパオ(紅包)をもらう

アンパオ

アンパオは、独身であれば年齢は関係なくもらえる。日本のお年玉と違って、金額の大小はあまり関係ない(写真提供 Naoko Miura)

地元の中国系マレーシア人の過ごし方をご紹介しましょう。彼らは日本と同じで、家族と過ごすために故郷に帰省します。赤い袋の「アンパオ」にお金を入れて配りあう、お年玉の風習があります。アンパオは、「福をまわす」という意味があり、金額は少額で構いません。金額よりも多くの人に渡すのが大事なのです。また、一年の運試しとして、トランプや花札の賭け事をするファミリーも多いとか。このゲームは、子どもも大人と一緒になって楽しむそうです。

マレーシアで中国正月を楽しむ

ライオンダンスチーム

食事中のライオンダンスのチーム。マレーシア人として、中国から伝わってきた伝統文化を大切に守っている

マレーシアでは、食事や買い物といった普段の生活から、行事、冠婚葬祭まで、すべて民族別、宗教別にわかれています。それはつまり、人々が昔ながらの伝統を大事にして日々暮らしている、ということ。他民族と共存するために、自分のルーツを認識し、後世に文化をつないでいく手段ともいえるでしょう。

また、伝統を守りながらも、仲間うちだけで盛り上がるのではなく、他の民族に対してオープンなところがマレーシアらしい部分です。外国人や他の民族が、自分たちの伝統行事に参加したり、食卓をともにするのは大歓迎。多くの人と文化をわかちあうことを喜びます。その考え方が、旅行者にとっても心地いい空間を生み出しています。

様々な人々が同じ空間で暮らし、それぞれに大事にするものが違う。そのグローバルな空気感をぜひマレーシアで感じて欲しいです。

最後に、この時期にぜひマレーシアに旅をして欲しいのですが、元旦~3日までは多くの中国料理店、中国系の会社はお休みです。でも、多民族国家マレーシアですから、マレー系やインド系の料理店、お店は通常どおり営業。そんなところも、ビバマレーシアです!
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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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